「クローン病」ってどんな病気?症状や寿命は?完治する?
「クローン病」と言う疾患をご存知でしょうか!?
平成27年1月1日より指定難病に追加された疾患です。
“クローン”といっても遺伝子操作の複製のことではありません。
「クローン病」とは、
“大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または海洋を引き起こす疾患の総称”
です。
1932年に内科医クローン医師によって報告され、
平成27年1月1日より指定難病に追加されました。
難病指定されるだけあって、詳しい原因が解明されていません。
日本においては近年患者数の増加を認め、10歳代〜20歳代の男性に多く発症します(女性の2倍)。
人口10万人に対し、おおよそ30人前後の発症率とされており、
欧米などにおいてはその10倍程度と言われています。
その症状は長期に渡り、かつ慢性に経過するため、継続的な治療が必要と言われています。
そこで今回は、難病指定を受けている「クローン病」についてまとめます。
「クローン病」ってどんな病気?
「クローン病」は、消化器系である大腸や小腸の粘膜に生じる疾患で、
慢性の炎症または潰瘍を認めます。
(腸のみならず口から肛門に至るあらゆる消化器に対して生じる可能性があります)
腸の中でも特に大腸と小腸の境目である回腸末端部分に好発します。
ただし、クローン病の特徴として非連続性の病変を認めることがあり、病変部位が飛び飛びに存在するのです。
日本の発症率は低いのですが、現在は増加傾向にあり、
特に10歳代〜20歳代の男性に多く発症します(女性の2倍)。
「クローン病」の原因は?
「クローン病」の明確な原因は不明です。
ただし近年では、遺伝的要素をはじめとして、食事や免疫、腸内環境などが発症の要因と考えられています。
つまり、クローン病を発症しやすい遺伝子を持った人が、
何らかの感染症をきっかけに発症したり、
免疫の働きが異常を起こすことで発症するのです。
「クローン病」の症状は?
「クローン病」の症状は、
腸の炎症や潰瘍が生じることで、“疼痛”が生じます。
腸の狭窄や硬化が生じている場合は、
内容物が通過するたびに強い疼痛を生じるのです。
また、腸の異常によって、消化や吸収不良が生じ、
血便(粘性)を生じる人がおおよそ30%程度で存在します。
消化器症状以外でも、
発熱や全身の倦怠感、関節炎や皮膚症状などを呈することもあります。
「クローン病」の治療法は?完治する?
根本的な治療法はないと言われていますが、
病気の進行を寛解させることが重要です。
そのためには、炎症を鎮め、消化器症状の改善を図り、
合併症などを抑制する必要があります。
具体的な方法として、
脂肪の取りすぎや食物繊維を避けるなどの“食事・栄養療法”、
5‐アミノサリチル酸製剤、ステロイド薬などを用いた“薬物療法”、
腸の狭窄や穿孔に対する“外科的治療”などが挙げられます。
このような治療によって症状の発現を抑えることは可能ですが、
非常に再発の多い疾患です。
そのため、“完治”という基準がなく、症状の出現しない寛解期を維持することが重要です。
特に、“喫煙”が再燃率を高めるため、予防の観点から禁煙が勧められます。
「クローン病」の寿命は?
これまで「クローン病」の寿命は、
約45歳と言われていたそうです。
しかしながら、医療技術の進歩している現在では、
適切な治療を受けることで、健常人とほぼ変わらないと言われています。
まとめ
今回は、難病指定を受けている「クローン病」についてまとめました。
食事制限や禁煙などの自己管理を守ることが症状の再燃を防止する方法です。
治療を中断せず、長期的な視野で症状の抑制を考えることが重要です。