膝がパキパキ鳴る原因は?軟骨は大丈夫?鳴ったらまずい音とは?
「パキパキ」
しゃがみこんだり、正座をしようとしたりすると膝から異音が…
これって何の音かご存知ですか?
「パキパキ」
膝の屈伸を行うたびに気になるこの音。
決して痛くないし、
特別高齢者だけに生じる訳ではありません。
だけど、放置しておいたら悪くなるんじゃないか…??
むしろすでにかなり悪いんじゃないかと疑ってしまいますよね。
勘のいい人なら「もしや軟骨のすり減り…」
健康への意識が高い昨今では、このようないわゆる変形性膝関節症と結びつけて考えてしまう人も多いのでは。
実はこの音(パキパキにおいて)は、必ずしも悪い状態にある訳ではないのです。
ただ、音によってはかなり膝が悪い状態になっている人もいるのです。
そこで今回は、簡単に膝の構造を解説しながら、膝がパキパキ鳴る原因や、音によっては潜むリスクなどについて解説します。
膝関節の構造はどうなっている?
膝関節とは、
上部の大腿骨と、下部の脛骨(さらには膝蓋骨)で構成される関節です。
骨の末端で関節を形成する部位には、
“軟骨”が存在しています。
この関節に存在する軟骨は、表面がツルツルしていて滑らかな関節運動には必須となります。
また軟骨の間には、関節包や滑膜といった膜によって“滑液”があります。
滑膜もまた、関節はスムーズに可動できるための潤滑油の役割を果たしているのです。
パキパキ音の正体は「キャビテーション」?
膝の屈伸に伴って関節がパキパキ鳴るから膝が悪いんだ…
必ずしもそういう訳ではありません。
この現象は、「キャビテーション」という現象であることが説明されています。
「キャビテーション」は、
“関節に一定のストレスがかかると、関節腔を満たす滑液の圧力が変化して気泡が弾ける”
ことによって生じる音なんです。
この時の圧力の変化というのは、
関節内が陰圧になることによる気泡の弾けであり、
例えば手の指や手首、首や肩なので生じている音も同じ原理なんです。
実は、つい最近ではこの“気泡が弾ける”ことで生じるキャビテーションが真ではないのでは…?
という議論がなされたそうですが、
しかしながら最終的には、数理モデルによって“気泡が弾ける”ことで生じていることが証明されました。
詳しくはこちらから
→いまだにナゾだった関節がポキっと鳴るメカニズム、ついに解明に近づく
パキパキ音は放置してよいのか?
では、「キャビテーション」によるパキパキ音は放置して良いのだろうか?
基本的にはすぐに対処が必要な現象ではありません。
ただ、いたずらに鳴らしたりすることは、関節炎などを引き起こす可能性もあるためやめましょう。
また、多くの場合はこの現象ですが、「パキパキ」鳴っているが実はキャビテーションではなく、重篤な関節疾患が隠れていることもあるので、
あまりにも音がひどい場合には整形外科を受診することをお勧めします。
少なくとも痛みが出ているような場合は必ず受診しましょう。
こんな音は危ない!
では、「パキパキ」以外の音はどうだろうか?
例えば、「ゴリゴリゴリ」や「グキグキグキ」という音。
これは間違いなく、関節運動に伴う骨同士の直接的な接触を伴っているため、
必ず受診などを行いましょう。
このような状態で、かつ疼痛もあるようであれば関節軟骨はすり減っている可能性も高いので要注意です。
また、稀にですが「ピキッ」という音がする場合もありますが、
これは半月板損傷などを疑いましょう。
外傷やスポーツなどによって身に覚えがある場合にはなおさら早期に受診をすることが重要です。
まとめ
今回は、簡単に膝の構造を解説しながら、膝がパキパキ鳴る原因や、音によっては潜むリスクなどについて解説しました。
キャビテーションと呼ばれる気泡によるものであるものが高い一方で、
変形性関節症などの疾患を有している場合もあるので要注意です。
また、必ずしも音によって、その症状や病態が推測できる訳ではないので拡大解釈には注意が必要です。