「ぶどう膜炎」とは?原因や症状は?治る病気なの?
「ぶどう膜炎」
あまり聞きなれない疾患ですが、
重症となると“失明”の可能性のある眼の疾患です。
「ぶどう膜炎」は、
眼の中の”ぶどう膜”と呼ばれる部分に起こる炎症性の疾患です。
※ぶどう膜:虹彩・毛様体・脈絡膜
ぶどう膜炎自体は、一つの疾患概念ではなく、
“ぶどう膜”に起こる炎症の総称です。
別名「内眼炎」とも呼ばれ、
重症ともなると失明の可能性もあります。
今回は、「ぶどう膜炎」の原因や症状、治療法などを解説します。
「ぶどう膜炎」ってどんな病気?
「ぶどう膜炎」は、“ぶどう膜”に生じる炎症であり、
具体的には、”眼を構成している組織である虹彩、毛様体、脈絡膜などに炎症が生じたものの総称”です。
ただし、最近では、角膜と視神経を除いたいずれかの部位に炎症が生じたものを全て「ぶどう膜炎」と呼ぶほど、
非常にその定義も曖昧になっているようです。
「ぶどう膜炎」の原因は?
「ぶどう膜炎」の原因は以下のようなものが挙げられます。
・細菌、ウイルス感染
・真菌(カビ)
・寄生虫
・全身の免疫異常
・外傷
・悪性腫瘍
・ストレス
・加齢
・原因疾患によるもの
このように様々な原因があります。
この中でも、”原因疾患によるもの”というのは、以下のような原因疾患が存在しています。
2009年の日本眼炎症学会の調査によると、頻度の高い順に、
“サルコイドーシス”
“フォークト―小柳―原田病”
“急性前部ぶどう膜炎”
“強膜炎”
“ヘルペス虹彩毛様体炎”
“ベーチェット病”
などが挙げられています。
難病指定の“ベーチェット病”はこちら
→ベーチェット病とは?その症状や治療方法とは?
「ぶどう膜炎」の症状は?
「ぶどう膜炎」の症状は、
・霧視(かすみがかかったように見える)
・飛蚊症(虫が飛んでいるように見える)
・羞明感(まぶしく感じる)
・視力低下
・眼痛
・充血
・流涙
などを認めます。
経過として寛解と増悪を繰り返すものが多いとされています。
特に、炎症や感染が視神経にまで拡大していくと、
“失明”や“脳炎”などを引き起こすこともありため、注意が必要です。
「ぶどう膜炎」の治療法は?治る病気なの?
「ぶどう膜炎」の治療法は、
“薬物療法”がメインとなります。
当然ながら原因によって、処方される薬の種類も様々です。
感染が原因の場合には、抗生剤の投与などを行ったり、
原因疾患を持つ場合には、ステロイド系の点眼薬などの治療を行います。
感染のように、
原因そのもの自体の治療が完了すれば、ほぼ症状は消失し、完治すると言えますが、
原因疾患の治療が難しい場合は、持病として付き合っていくことを考えなければならないようです。
まとめ
今回は、「ぶどう膜炎」の原因や症状、治療法などを解説しました。
ぶどう膜炎は、失明にも至る疾患です。
感染が原因となる場合には、急激な症状の悪化が考えられるため、
前述のような症状が出現した場合には、早期の受診をすることが大切です。
眼の疾患はこちらの記事もどうぞ
→「緑内障」とは?その症状は?遺伝する病気なの?