「強皮症」とは?寿命は変わる?症状や合併症とは?
「強皮症」
という疾患をご存知ですか!?
あまり聞きなれない疾患ですが、
文字通り、皮膚が硬化することを主症状とする疾患です。
「強皮症」は、
“膠原病”に分類される疾患の一つです。
“膠原病”は、全身の膠原繊維が変性し、
全身の複数の臓器に炎症や機能障害をきたす疾患群の総称で、
自己免疫疾患とも呼ばれています。
詳しくはこちら
→膠原病とは?その症状や種類は?過去に患った芸能人は?
このような”膠原病”の一つに分類される「強皮症」は、
皮膚が硬化することを主症状とする疾患ですが、
硬化が皮膚に限られるものを“限局性強皮症”、
皮膚のみならず血管や内臓なども侵されるものを“全身性強皮症”と言います。
一般に強皮症といえば、“全身性強皮症”を指し、
両者は全く異なる疾患といえます。
そこで今回は、「(全身性)強皮症」の原因や症状、さらには合併症や寿命などに関して解説します。
「強皮症」とは?
「強皮症」は、
“膠原病”の一種であり、多臓器疾患を障害される自己免疫疾患です。
強皮症は全身症状の中でも特に皮膚に初発症状が現れるのが特徴で、
(後述する)“レイノー現象”は、最も代表的な症状です。
本邦において強皮症の罹患患者は、
2万人以上とされており、
診断を受けていない人も含めるとさらに多くの潜在患者がいると言われています。
男女比はおおよそ1:12で女性に多く、
30代から50代に好発します。
「強皮症」の原因は?
「強皮症」の原因は、
詳しいことははっきりと分かっていないのが現状です。
遺伝や感染などの要因は否定されていますが、
生まれつき発症しやすい資質を遺伝することはあります。
(そのような遺伝子が存在すると言われています)
それらの資質的な要因に加えて、
環境要因として、ウイルス感染や薬剤、化学物質への曝露が引き金となって発症することがあるそうです。
「強皮症」の症状や合併症は?
「強皮症」の代表的な症状は皮膚の硬化です。
初発症状として生じやすいのは、
“レイノー現象”です。(およそ90%以上の患者に生じる)
“レイノー現象”とは、
寒冷の場所などに出ると、発作的に血行障害に陥り、
指先が真っ白から紫色に変色し、さらに数分すると赤色に変色する現象です。
この段階では、しびれや痛み、強い冷感などを感じます。
そのほかの皮膚症状として、こわばりや指先のむくみ、皮膚の硬化や拘縮なども出現します。
また、皮膚以外の症状として、
・消化器症状(逆流性食道炎etc..)
・肺症状(肺線維症etc..)
・腎症状(高血圧,めまい,胸痛etc..)
・心臓症状
・その他の膠原病(シェーグレン症候群)
などが挙げられます。
「強皮症」の治療法は?
「強皮症」の治療法は、
個々の患者の進行の程度や、症状の程度によって異なります。
多くの場合は投薬による治療が行われます。
・プレドニン(ステロイド)
・エンドキサン(免疫抑制剤)
などは、病気そのものに対する投薬ですが、
レイノー現象に対する血管拡張薬やプロスタグランジン製剤のように、
皮膚症状、肺症状などの個々の症状に対する対症療法なども行われます。
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「強皮症」の寿命は?
先に述べたように、
「強皮症」には様々な合併症があり、
予後や“寿命”を決定するのはそれらの要素です。
しかしながら、個々の患者ごとに合併症の進行や出現頻度が異なる上、
適切な対症療法を行えるかによっても異なるため、
一概に”寿命”を断定することは難しいです。
ただし、肺・心臓・腎臓などに合併症が生じ、
それらの治療経過が不良な場合には、予後が悪いと言われています。
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