「ニューモシスチス肺炎」ってどんな疾患?リウマチ患者は要注意!?
「ニューモシスチス肺炎」ってご存知ですか?
一般的にはあまり馴染みのない疾患かと思いますが、
リウマチなどの治療中の方は要注意です。
「ニューモシスチス肺炎」とは、
“ニューモシスチス・イロベチイと呼ばれる真菌によって引き起こされる肺炎”
です。
その症状は、咳をはじめとし、呼吸困難や発熱などを生じます。
もともとHIVを罹患している場合には、緩徐な進行ですが、
そうでない場合には急速に状態が進行し、低酸素血症などに発展します。
とりわけ珍しい菌ではないそうで、人の肺などに潜在的に存在する菌ですが、
通常の免疫力のある人では発症せず、
何らかの要因によって免疫力が低下している人に発症します。
(このような感染を日和見感染とも言います)
リウマチ患者は、
“「ニューモシスチス肺炎」に罹患しやすい”
と言われていますが、一体何故なのでしょうか!?
疾患の基礎知識を踏まえて調べてみました。
その他の肺炎の情報はこちら
→マイコプラズマ肺炎|症状や治療は|子供は注意
「ニューモシスチス肺炎」の原因は?
「ニューモシスチス肺炎」は、
“ニューモシスチス・イロベチイによる真菌肺炎”です。
人の肺などに潜在的に存在しているようですが、
通常の状態の人では罹患・発症せず、
免疫が低下している人の場合に顕在化する日和見感染です。
(最近の知見では人-人の間による飛沫や空気感染の報告もあるようです)
特にHIV(エイズ)やステロイド、免疫抑制剤を長期的に使用している場合に感染しやすいとされています。
「ニューモシスチス肺炎」の症状は?
「ニューモシスチス肺炎」の症状は、
乾性咳嗽・呼吸困難・発熱を3主徴とします。
稀な症状ではありますが、
胸痛や血痰などが生じることもあるようです。
HIVに罹患している場合には、このような進行も緩徐であるようですが、
罹患していない場合には、急速な進行を認めるようです。
発展すると低酸素血症などの症状が生じます。
「ニューモシスチス肺炎」の治療は?
「ニューモシスチス肺炎」の治療は、
“薬物療法”が中心となります。
主な治療薬として、
・ST合剤
・ペンタミジン
が主流であり、前者が治療の第一選択となるようです。
「ニューモシスチス肺炎」自体は比較的致死率も高い疾患であるため、
できるだけ早期より治療を開始する必要があるようです。
何故、リウマチ患者は罹患しやすい?
関節リウマチ(RA)とは、
自己免疫疾患と呼ばれ、
本来身体を守るために働く免疫が過剰となることによって、
関節を中心として破壊が生じる疾患です。
このような関節破壊の進行に対して、
現在では免疫を抑制するための画期的な薬物療法として、
“生物学的製剤”が用いられています。
この薬物療法によって、
リウマチ患者の予後は飛躍的に改善されたと言われています。
ただし、免疫を抑制することによる副作用に感染があります。
免疫を抑制することで、通常の免疫力では罹患することのない
「ニューモシスチス肺炎」に感染してしまうのです。
咳などの症状を認めていた場合は、
直ちに検査を行うなどの早期発見が重要となります。
関節リウマチの基礎知識はこちら
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