「髄膜刺激症状」とは?原因となる疾患は?検査方法とは?
「髄膜刺激症状」とは、
頭の中にある“髄膜”が刺激されて生じる症状です。
頭痛などが代表的な症状ですが、
この症状はいくつかの原因疾患によって生じるのです。
“髄膜”は、
脳や脊髄の周りを取り巻き、
それらの保護を役割とする膜の総称です。
この髄膜が刺激されることによって生じる症状が、
「髄膜刺激症状(ずいまくしげきしょうじょう)」と呼ばれています。
「髄膜刺激症状」は、
特定の疾患によって引き起こされる症状であり、
・髄膜炎
・ヘルペス脳炎
・くも膜下出血
などがその代表的な疾患です。
今回は、「髄膜刺激症状」について原因や症状、治療や検査法などについて解説します。
Contents
「髄膜刺激症状」の原因は?
前述したように、
「髄膜刺激症状」は特定の疾患に付随して生じる症状です。
・髄膜炎
・ヘルペス脳炎
・くも膜下出血
などによって髄膜が刺激されることによって生じます。
髄膜炎やヘルペス脳炎などは、
ウイルスや細菌などによる脳脊髄液の感染によって髄膜が刺激されます。
一方、くも膜下出血などでは、
出血によって髄膜の層の中に血液が貯留することで症状が生じます。
ヘルペス脳炎に関する詳しい記事はこちら
→「ヘルペス脳炎」の原因や症状は?後遺症は残る?リハビリの方法とは?
「髄膜刺激症状」の症状は?
「髄膜刺激症状」とは言いますが、
実際にはどのような症状が生じるのでしょうか!?
「髄膜刺激症状」としては、
・頭痛
・吐き気
・嘔吐
・羞明
などが挙げられます。
さらに特徴的な症状として、
・項部硬直
・ケルニッヒ徴候
・ブルジンスキー徴候
があり、それぞれの特徴や検査法を後述します。
「髄膜刺激症状」の検査法は?
項部硬直
項部硬直とは、
患者を仰向けの状態とし、検者が頭を前屈させると、
刺激を受けている髄膜が伸長されることで疼痛が生じ、
患者は不随意に首が動かないように硬直させる現象です。
前屈時においてのみ検出される方法ですが、
偽陽性となる患者も多く、必ずしも特異的な検査とは言えません。
ケルニッヒ徴候
ケルニッヒ徴候とは、
患者を仰向けの状態とし、
検者が患者の股関節を90°に曲げた位置から膝を伸ばそうとすると、
刺激を受けている髄膜が伸長されることで疼痛が生じ、
抵抗が生じる現象です。
ブルジンスキー徴候
ブルジンスキー徴候とは、
患者が仰向けで寝ている状態で、
検者が頭を持ち上げる(前屈させる)と、両下肢の股関節と膝関節が屈曲する現象です。
「髄膜刺激症状」の治療法は?
「髄膜刺激症状」に対する治療法は、
原因となる疾患を取り除くことが必要です。
例えば、
ウイルスや細菌などによってよって生じる髄膜炎やヘルペス脳炎などでは、
抗生剤を投与することによって、治療を行います。
一方で、
くも膜下出血の場合には、再破裂を防ぐための治療を行うなど、
原因疾患をきちんと取り除くことが「髄膜刺激症状」に対する治療となります。
ただし、項部硬直などの症状が長く続くと、
頸部の柔軟性が低下し、周りを見回すなどの運動がしづらくなることもあります。
そのような場合には、
リハビリテーションなどによって後遺症を残さないようにすることも重要です。