心筋梗塞|冬はリスクが高い|予防方法や対策は
「心筋梗塞」と呼ばれる疾患をご存知でしょうか!?
芸能人など著名人でも毎年、軽度から重度の心筋梗塞で入院したなんていう報道も話題になりますよね。
「心筋梗塞」とは、心臓に栄養を送っている血管(冠動脈)が突然詰まってしまう病気です。
突然の胸痛がその代表的な症状です。
心筋梗塞や狭心症に代表されるような心臓疾患は、虚血性心疾患と呼ばれています。
虚血性心疾患に関する記事はこちらもどうぞ
→心筋虚血とは!? その原因、治療法は!
日本において、虚血性心疾患は、がん(悪性新生物)についで、死因の第2位を占めています。
そんな虚血性心疾患ですが、実は一年を通して「冬」に発症しやすい特徴があります。
つまり冬は心筋梗塞のリスクが高いのです。
そこで今回は、心筋梗塞が冬に多い理由と、予防や対策などについて紹介します。
冬に関する疾患の記事はこちら
→脳卒中!冬に多い理由は?
心筋梗塞とは
心筋梗塞とは、どのような病気なのでしょうか!?
心臓には、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈というものが取り巻いています。
虚血性心疾患に代表される狭心症は、これらの一時的な閉塞、
そして、心筋梗塞は完全な閉塞した状態をいいます。
閉塞が長時間におよぶと、心筋の壊死や、不整脈を合併することで突然死をきたす原因となる非常に恐ろしい疾患です。
その症状は、心臓の強い痛みや呼吸困難や吐き気、冷や汗などがあります。
また、前駆症状として、胸やみぞおちを突然圧迫するような痛みや、奥歯や下顎が痛むなどの症状があります。
心筋梗塞が冬に多い理由
なぜ、心筋梗塞は冬に多いのでしょうか。
冬になると、大気の温度が低下します。
私たちの身体は寒くなると、血管を収縮させ、体温が低くならないように自動調整しています。
いわゆる血圧が高くなっている状態です。
このような状態が続くと、血液の流れが悪くなり、動脈硬化が進み、硬くて狭くなった血管を血液が通りにくく詰まりやすくなるのです。
冬は暖かい室内から急激に温度が低下する屋外へ移動する際などに、血管の収縮を伴う、急激な血圧の上昇を認めます。
これは、別名「ヒートショック」などとも言われ、心臓に負担をかけ、心筋梗塞を起こしやすくします。
暑いところから寒いところだけでなく、暑いところから寒いところで生じることもあります。
具体的な事例
・暖かい室内から、寒い脱衣所で服を脱いで倒れる
・身体が増えたまま、急激に熱いお湯に浸かった時に倒れる
・暖房施設のないトイレで息んで倒れる(大便の際には、血圧が上がる)
心筋梗塞の予防・対策
それでは、どのような予防・対策が重要なのでしょうか。
国立循環器病研究センターは以下のような注意事項を提唱している。
<冬場に心筋梗塞を予防するための注意すべき10箇条> 1) 冬場は脱衣室と浴室を暖かくしておく。 2) 風呂の温度は38~40度と低めに設定。熱い湯(42~43度)は血圧が高くなり危険です。 3) 入浴時間は短めに。 4) 入浴前後にコップ一杯の水分を補給する。 5) 高齢者や心臓病の方が入浴中は、家族が声を掛けチェック。 6) 入浴前にアルコールは飲まない。 7) 収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が110mmHg以上ある場合は入浴を控える。 8) 早朝起床時はコップ一杯の水を補給する。睡眠時の発汗で血液が濃縮しています。 9) 寒い野外に出る時は、防寒着、マフラー、帽子、手袋などを着用し、寒さを調整しましょう。 10) タバコを吸う方は禁煙をしましょう。 引用:国立循環器病研究センター
冬に心筋梗塞が多い理由は、説明の通り、急激な温度上昇に伴う血圧の変動です。
このようなヒートショックを可能な限り、軽減させることが心筋梗塞の予防・対策につながるのです。
まとめ
心筋梗塞が冬に多い理由と、予防や対策などについて紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
冬は多くの疾患の発病リスクが高い時期です。
適切な知識と対策を身につけて、対応していきたいですね。
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