白内障手術の最前線|日帰り手術や点眼での治療も可能?
2016/08/11
「目の前がかすんでみえる」
「光がまぶしくてしょうがいない」
「小さい字が見えなくなる」
なんて訴えを祖父や祖母、または両親からも聞くことはないでしょうか。
こんな症状に合致するのは「白内障」です。
「白内障」とは、眼の中でレンズの働きをしている水晶体が、年齢とともに変性し、徐々に白く濁ってくるというものです。
老眼とともに誰でも起こりうる加齢現象の一つとされています。
日本では現在、年間100万件の手術が行われているというほど、発症しやすい病気です。
その反面、比較的治療(手術)も容易であることから、手術に踏み切る人も多いそうです。
また、手術後も入院の必要なく、日帰りで行えることも魅力であり、結果として手術・入院などの費用も安く抑えられるのです。
そこで今回は、加齢現象の一つである「白内障」について、最新の情報を含めて調べてみたいと思います。
加齢による疾患に関する記事はこちら
→変形性膝関節症とは!手術やその後のリハビリは?
→アルツハイマー型認知症
Contents
白内障の症状
白内障の症状は、眼の中の水晶体が白く濁ることで生じます。
濁り方によっても症状は変わりますが、眼のかすみと、視力の低下が代表的な症状と言えるでしょう。
そのほかにも、光が眩しいなどと感じる症状もあります。
このような症状が出現すると、当然新聞などの文字が読みにくくなるほか、車を運転する人などは大変危険なので、必ず一度受診をしましょう。
白内障の原因と種類
白内障は様々な原因によって発症します。
最も多いものが、加齢による「加齢性白内障」です。
個人差はあるものの誰にでもなる可能性があります。
そのほかの原因となるものは以下のようです。
・糖尿病による糖尿病性網膜症に併発しやすい
・アトピー性皮膚炎などで、ステロイドの長期使用は併発しやすい
・近視が強い人は併発しやすい
・紫外線やダイオキシンアなどの活性酵素に晒されると発症しやすい
などなど、様々な原因によって発症する可能性があります。
白内障の発症年齢・発症率は
水晶体が濁る原因は、加齢や紫外線による酸化によるものが主な原因と考えられています。
白内障の発症年齢には、個人差はあるものの、初期の混濁をも含めると、
60代で7〜8割、70代で9割、80代以上でほぼ100%と報告されています。
発症率はほぼ100%と言えるでしょう。
早い人では40代から症状が出始めることも….
徐々に進行するため、気づかないことも多いそうです。
白内障の治療は
一旦、白内障が進行した場合、視力を回復するためには、手術が有効です。
※軽度の場合には、点眼や内服で進行を遅らせるなどの方法をとります。
どのような手術をするのか
白内障の手術では、濁ってしまった水晶体の濁りを取り除くことを行います。
取り除くだけではなく、人工の水晶体(眼内レンズ)を移植します。
網膜や視神経、角膜などに異常が生じていなければ徐々に視力は回復に向かうそうです。
手術時間はどれくらい 日帰り手術も可能
近年の手術では、技術の向上とともに簡易に行うことができ、多くの場合、およそ20分〜30分程度で行えるそうです。
比較的安全に行える手術のため、70〜80代にとどまらず、90代の人でも手術を受ける方もおられるそうです。
また、手術後のケアも点眼などで行えるため、入院の必要性はなく、日帰り手術も可能だそうです。
最新の眼内レンズで老眼や乱視を矯正
手術の際に、眼内に挿入するレンズというのは、現在では様々なものが誕生しているそうです。
また最新のレンズでは、老眼や乱視、近視や遠視などといった白内障による影響だけでない症状までをも矯正することが可能となってきているそうです。
さらに、一人一人にあった、オーダーメイドのレンズなど、個別に特注することもかのうだそうです。
点眼でも白内障が治るのか
これまでの点眼は進行を遅らせるもので、完治させるものではないとして用いられてきたようです。
しかし、今年の7月に英科学誌ネイチャーに掲載された論文で、点眼薬で白内障を治す可能性を示したものが報告されたようです。
白内障の犬による実験ですが、ステロイドの一種である「ラノステロール」によって白内障を改善させる可能性があったそうです。
もし、これが実用化されるようになれば、かなり多くの方の目が救われることになりますね。
是非、実用化に期待したいと思います。
まとめ
加齢現象の一つである「白内障」について、最新の情報を含めて調べてみました。
医学の進歩は急速に進んでいるのだと感じました。
白内障だけにあらず、今の国民はインターネットやゲームをテレビ画面やパソコン、スマホで閲覧するのが常習となっています。
昔と比べて、視力の低下も著しいのではないと思われ、一種の現代病と捉えることもできるんではないでしょうか。
このような手術があることは、将来も少し安心できる気がします。
だからといって、目は本当に大事な器官ですので、大事に使っていきましょう!
高齢者に発症しやすい疾患はこちら
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