脊柱管狭窄症とは?症状や治療方法は?リハビリは?
2016/03/21
加齢によって生じてくる症状の一つに「腰痛」があります。
様々な原因によって生じるのですが、中でも「脊柱管狭窄症」は自然治癒が難しく、歩行を始めとした日常生活を困難にする疾患の一つです。
脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通る脊柱管と呼ばれる空洞が、なんらかの原因で狭窄し、その中を通る神経(脊髄)を圧迫してしまうことで生じる神経症状です。
腰部が痛いこともありますが、多くは圧迫された神経が支配する下肢の領域に疼痛や痺れが生じることが多いです。
とりわけ、腰部において好発することから「腰部脊柱管狭窄症」とも言われています。
あらゆる年齢で発症することがありますが、50歳〜70歳にかけて多く発症する傾向があります。
基本的には自然治癒での改善は難しいとされています。
なんにせよ、早めの対策が肝心です。
そこで今回は、腰部脊柱管狭窄症について、その症状や治療方法、リハビリなどについても解説します。
加齢に関係する疾患はこちら
→高齢者の骨折部位|好発部位はどこ?|予防や対策は?
→大腿骨頸部骨折|手術方法は|術後のリハビリテーション
腰部脊柱管狭窄症の症状は
腰部脊柱管狭窄症の最も代表的な症状は、
「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれる症状です。
歩き出すことによって、足が痺れたり、痛みが出現し、長時間の歩行が困難となります。場合によっては数分で出現することがありますが、座って休んだり、前かがみになることで解消されることが特徴です。
これは、姿勢良く(背中を反って)歩くことで、脊柱管の狭窄が増強し、神経の圧迫や血流が阻害されることによって生じるのです。
その他の症状としては以下のものが挙げられます。
・腰痛
・下肢の痺れ
・下肢の痛み
反対に下肢の症状だけで腰部の疼痛が全くない場合もあります。
どこの領域を支配する神経が圧迫されたかによって症状の出方も場所も異なります。
腰部脊柱管狭窄症に関する詳しい記事はこちらもどうぞ
→腰部脊柱管狭窄症とは?原因や症状、その治療方法は?
腰部脊柱管狭窄症の診断は
腰部脊柱管狭窄症は、X線写真(レントゲン)やMRI、CTなどの画像所見を元に診断をします。
しかし、狭窄が起きていても症状はほとんどない場合もありますので、実際の臨床症状と照らし合わせながら診断を行います。
腰部脊柱管狭窄症の治療は
腰部脊柱管狭窄症の治療は大きく分けて二つです。
・保存療法
・手術療法
保存療法
一概に保存療法といっても、その方法は多岐に渡ります。
ただし、いずれも脊柱管自体の狭窄を改善させるものではなく、
対症療法が中心となります。
・薬物療法:消炎鎮痛剤や内服、湿布薬など
・装具療法:腰部の安静を目的に「コルセット」を使用して、過剰な運動を抑制
・神経ブロック:痛みの伝達をブロック
・プロスタグランジンE1製剤:神経内の血流を改善させる点滴治療。効果は非常に高いことが証明されている
手術療法
手術療法は、狭くなった脊柱管を直接広げることを目的としています。
とりわけ保存療法で効果が見られない場合に手術療法が選択されます。
手術方法は、脊柱の後方の部分を切除し、神経を圧迫している骨や肥厚した靭帯を削り取って神経の圧迫を取り除きます。
切除の量は部分的に行う場合(開窓術)もあれば、かなり大きく切除する場合(椎弓切除術)もあります。
腰部脊柱管狭窄症の手術に関する詳しい記事はこちら
→腰部脊柱管狭窄症における手術療法の種類や方法とは?
腰部脊柱管狭窄症のリハビリは
腰部脊柱管狭窄症に対するリハビリは、保存療法の一つとして、「ホットパック」による温熱療法や、「腰椎の牽引」などの物理療法を行う方法があります。
ただし、これは対症療法であって、根治的な改善は難しいです。
腰部脊柱管狭窄症に対するリハビリは、手術後の運動機能の回復や、歩行姿勢や動作指導、必要に応じて杖や歩行器などの選定などがあります。
症状そのものを改善させるというよりは、症状を悪化させないための方法や戦略を共に学習していくことが大事です。
まとめ
腰部脊柱管狭窄症について、その症状や治療方法、リハビリなどについても解説しました。
原因不明の下肢の痺れや疼痛にお悩みの方も多いのではないでしょうか!?
腰部脊柱管狭窄症は、疼痛の苦しみなどから姿勢は歪み、特有の動作パターンがさらなる腰痛を招くなどの二次障害も招きやすいのです。
早期発見・早期治療が最も大事なことです!
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