「脳空気塞栓症」ってどんな疾患?ヘリウムガス吸引での事故も…
「脳空気塞栓症」という疾患をご存知ですか!?
比較的稀な疾患でありますが、
過去には某アイドルグループのメンバーが発症したことでも有名になりました。
「脳空気塞栓症(のうくうきそくせんしょう)」とは、
脳の中の血管に、何らかの原因で空気が入り込み、血流が途絶えてしまう状態です。
広義に脳梗塞と呼ばれる疾患でも、
脳塞栓症(のうそくせんしょう)という病態を含んでおり、
心臓に生じた血栓が遊離し、血流に乗って脳の血管に閉塞することで生じる状態があります。
「脳空気塞栓症」とはつまり、
血栓ではなく、空気が血栓と同様の働きを担うことで血流を途絶えさせ、
虚血した脳組織にダメージを与えてしまう病態です。
実はこの「脳空気塞栓症」は、
過去に某アイドルグループのメンバーが、ヘリウムガスを一気に吸引したことで発症した事例があります。
今回は、「脳空気塞栓症」の原因や症状、治療法、ヘリウムガスの危険性などを調べてみました。
「脳空気塞栓症」の原因とは?
「脳空気塞栓症」は、
脳の血管に空気が入り込むことで血流を阻害し、脳が虚血状態に陥る病態です。
「脳空気塞栓症」の原因は、
脳の血管に空気が流入することですが、
なかなかやろうと思って出来ることではありませんね。
実際には、以下のような際に生じる危険性があるようです。
・外科的手術
・静脈へのカテーテル挿入
・外傷
・陽圧換気
・減圧症 etc…
やはりやろうと思ってなってしまうよりは、
医療的な処置の合併症として生じることがあるようです。
ちなみに減圧症とは、ダイビングなどで水圧の変化を受ける場合に生じる疾患です。
「脳空気塞栓症」の症状とは?
「脳空気塞栓症」の症状としては、
失神などの意識障害を生じたり、痙攣発作が出現することがあります。
多くは早急の対応によって後遺症などを残すことは少ないですが、
長時間に及んで塞栓の状態が持続すると、
虚血した脳の領域の機能に準じた症状が出現します。
これはいわゆる運動麻痺や感覚障害など、
脳卒中の後遺症として残存するものと同様です。
「脳空気塞栓症」の治療とは?
「脳空気塞栓症」の治療方法には、
高圧酸素療法(Hyperbaric oxygen: HBO)というものがあります。
出来るだけ早期(数時間以内)に、高濃度の酸素を注入することで、
病態の改善を図るものです。
ヘリウムガスは危険なの?
過去に、某アイドルグループのメンバーが、
ヘリウムガスを一気に吸引したことで意識消失をきたし、
後に「脳空気塞栓症」が判明した事例がありました。
そもそもヘリウムガス自体には、
特別有害な成分があるわけではないそうです。
しかしながら、風船などに入っているヘリウムガスは酸素がなく、
100%ヘリウムガスだそうで、これを一気に吸い込むこと自体が危険だそうです。
ただ、このこと自体が「脳空気塞栓症」になる原因ではなく、
高圧のガスを一気に吸ったことで、肺から血液に取り込まれた空気が気泡となって脳まで達したことで、
脳虚血が生じたことが考えられるそうです。
まとめ
今回は、「脳空気塞栓症」の原因や症状、治療法、ヘリウムガスの危険性などを調べてみました。
パーティーグッズなどで使用するヘリウムガスは、
事故などのリスクを避けるため、空気も含まれているそうですが、
やはり大量に吸い込むのは危険なようです。
使用法の注意などをよく理解した上で使用することを願います。