心筋虚血とは!? その原因、治療法は!
2016/03/06
先日、皇后さまが、心筋虚血の疑いがあるとのことで、冠動脈のコンピューター断層撮影(CT)検査を受けたことが話題となった。
再度8月9日に精密検査を受けるということだが、大事に至らないことを願うばかりである。
さて、今回皇后さまに疑いのあったこの「心筋虚血」という疾患ですが、
皆さんはそのような疾患をご存知だったでしょうか!?
皇后さまは、6月末ごろより胸の痛みを訴え始めたということだが、
症状のない無症候性の心筋虚血などもあるので注意が必要だそうだ。
症候性が生じる心筋虚血の場合はもっと深刻であり、命に関わることも少なくはないそうです。
そこで今回は、この「心筋虚血」について、その原因や治療法などについて調べてみました。
虚血性心疾患に関する記事はこちら
→心筋梗塞|冬はリスクが高い|予防方法や対策は
心筋虚血とは?
心筋虚血とは?
心筋虚血は、心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を供給している冠動脈が、動脈硬化や血栓などによって狭くなる、あるいは詰まることによって、(虚血することによって)生じる疾患の総称です。
いわゆる虚血性心疾患と言われ、その中の分類は、
「狭心症」「心筋梗塞」「無症候性心筋虚血」などと言われている。
このような病名であると聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか。
日本人の死因にて毎年、がん(悪性新生物)についで
2位にランクインされるほど、頻度の多い疾患です。
普段から血圧などの値を管理しておくことも非常に重要です!
バイタルサインの正常値は?血圧・脈拍・血糖値etc…
では、具体的に各々の特徴をみていきましょう!
【狭心症】
狭心症とは、その中にもさらに、分類があり、運動をしたり、階段を登ったりと労作をした際に生じるものを「労作性狭心症」、
冠動脈の閉塞がなくても血管壁の攣縮で生じるものを「冠攣縮性狭心症」と言います。
いずれも、症状としては、数分間持続する激しい胸痛や圧迫感、息切れです。
数秒で起こることもあれば、数分持続するものまで、一過性に、どれくらい心筋が虚血するのかに依存して症状が生じます。
【心筋梗塞】
冠動脈が完全に詰まって血流が途絶えてしまったものを心筋梗塞といいます。
この状態が持続することで、心筋が壊死し、命を落とすことが少なくありません。
日本では年間発症は15万人以上と言われ、その推定死亡率は30%とも方向されています。
症状としては、突然の強い胸痛や冷や汗、左肩へ放散する違和感などがあります。
基本的には狭心症の症状が強くなったようなものでしょうか。
【無症候性心筋虚血】
文字通り、症状のない狭心症のことを無症候性心筋虚血と言います。
心筋は虚血状態にあるのに、症状を感じづらくなっているもので、
高齢者などには多いとされています。
原因となるのは?
死に至る可能性のある、虚血性心疾患ですが、原因を再度おさらいします。
先ほども説明しましたが、心筋への血流がなんらかの原因で途絶えてしまうことです。
ここでいう「なんらかの」というのは、いわゆる動脈硬化であります。
そうなんです。
一番の危険因子は「動脈硬化」なんです。
生活習慣病と呼ばれるものの一つですね。
また、この動脈硬化を引き起こす原因としてさらに、
「高血圧」「高脂血症」「喫煙」「糖尿病」「肥満」などがありますが、これらがそのまま【虚血性心疾患】のリスクファクターでもあるのです。
この他にも「動脈硬化」は、「脳卒中」や「閉塞性動脈硬化症」、「大動脈瘤」なども引き起こしやすくなるため、どの病気になってもおかしくないような身体状況であると思ってください。
その予防方法は、
●正しい食生活:塩分を控える、動物性の脂肪を控える、野菜や大豆、食物繊維を摂取する、砂糖や果実を取り過ぎないなど。
●適度な運動:肥満を予防するとともに、ストレスを解消するために運動をする。
●不摂生を避ける:禁煙をする。
などが挙げられます。
最近はどのような病気でもこのような予防策が取られることが多いですが、それだけ大事なことということですね。
治療法は?
それでは、虚血性心疾患と診断されたり、発症した場合の治療法はあるのでしょうか。
「狭心症」の場合は、一過性に冠動脈が狭窄や攣縮している場合なので、それらを緩和するために「ニトログリセリン」が有効です。
これは舌下投与できるもので、症状が出た時に舌の下に含むことで吸収され、狭心痛が数分で消失するとされています。
これはちきんと主治医と相談して処方してもらいましょう。
ただし、あくまで対症的な対応なため、冠動脈をバイパスする手術などが必要になる場合もあります。
次に「心筋梗塞」の場合です。
まず、発作が出た場合には、「ニトログリセリン」も効きません。
とにかく早く病院へ行かなければならず迷わず119番に電話しましょう。
まずは命を救うために、疼痛を抑制したり、酸素を吸入したり応急処置が取られます。
同時に冠動脈の撮影など、実際に心筋梗塞を確認し、「再灌流療法」が必要となります。
つまり、閉塞した冠動脈を再び開通させる必要があるのです。
そのために冠動脈にある血栓を溶かす「血栓溶解療法」などが行われたり、冠動脈形成術などの外科的な処置が取られます。
基本的はすべて医師の指示のもと、そして医師が行う治療であり、
我々がしっかり行わなければならないのは「予防の観点」が大事ということです!
まとめ
今回、心筋虚血をテーマに、「虚血性心疾患」について調べてみました。
たまに感じることのある胸の痛みってこれかなとちょっと不安になったりもしますが、我々が行えるのはいつだって最善の予防策をとることです。
様々な病気の原因となるうる「動脈硬化」、まずはこれにならぬよう、食事や運動など再度生活を見直してみたいと思います。
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