五十肩(四十肩)とは?肩が痛くて上がらない?その症状とは?
2016/08/26
「肩が痛くて上がらない…」
中年以降の女性であれば経験した人も多いのではないでしょうか!?
いわゆる五十肩(四十肩)と言われる症状です!
昔から、中年、またはそれ以降の年齢の方の肩の痛みに対して用いられている「五十肩」、または「四十肩」という言葉。
実際には「五十肩」や「四十肩」という疾患はなく、
「肩関節周囲炎」と呼ばれる病態のことを指しています。
総じて、40代、または50代の人の発症が多いことからこのような名称で呼ばれているのです。
肩関節周囲炎というのは肩関節周囲組織の炎症の総称です。
一つの病態を指しているのではなく、人によって様々な要因があります。
皆に共通している点は、肩や首などに生じる疼痛です。
疼痛の影響から不動となり、徐々に腕を上げることも困難となってしまうのです。
そこで今回は、「五十肩(四十肩)」と呼ばれる「肩関節周囲炎」について解説したいと思います。
高齢者に多い疾患はこちら
→パーキンソン病とは?症状や治療法は?リハビリは何をする?
肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎とは、肩関節を構成する筋や靭帯、滑液などの軟部組織の炎症に起因する疾患の総称です。
細かく細分化すると以下のような分類が出来ます。
・腱板炎
・肩峰下滑液包炎
・石灰沈着性腱板炎
・腱板不全断裂
・上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎
・烏口突起炎
・腱板疎部炎
などなどです。
詳しい病態は、専門書に譲るとして、これらの病態どれになっても一般的に「五十肩(四十肩)」と呼ばれるのですね。
実際には40代、50代だけでなく、20代や30代、60代でも発症します。
おおよそ100人に2〜5人程度の発症率だと言われています。
健康に関する記事はこちらもどうぞ
→健康寿命とは? ロコモーティブシンドロームとの関係!
→天気と関節痛の関係|気圧が影響している!?
どのような症状が出現する?
最も代表的な症状は、「腕を上げた時の痛み」です。
特に40代、50代の主婦は家事に大忙しで、食事に洗濯、掃除と様々な場面で腕を上げる場面があり、症状を自覚します。
次第に痛みを避けるように、
「肩を上げない」
「痛くない方の腕を使う」
などの様々な代償動作を学習します。
誰でも痛みを耐えて動きたくないですからね!
そのため、徐々に不動の影響と、疾患の特性から肩関節の関節可動域制限が著しく進行します。
※関節可動域制限:関節の動きが制限される。
痛みは自然と治ることがありますが、このような状態になってしまっては、日常生活動作においても大きな障害を抱えることになります。
まして、主婦は色々なことに忙しく受診する暇がないというのも発見が遅くなる要因です。
治療法はある?
痛みが強い時期は炎症が生じている時です。
このような時期には、痛み(炎症)を助長しない肢位をとることが大切です。
また、併用して薬物療法によって鎮痛目的とした内服や注射も有効です。
ただし、このような方法は、いわゆる対症療法で根治的な治療方法ではありません。
炎症の時期を過ぎると、筋肉の緊張を緩和するための温熱療法(ホットパック)や関節可動域訓練や筋力回復などの運動療法を実施します。
いずれも専門家である理学療法士が適切な評価のものと、実施します。
これらの方法でも改善しない場合は、手術療法などによる治療策を講じることもあります。
なんにせよ、症状が進行する前に、整形外科を受診し、理学療法士の指導のもの、正しい対策を講じていきましょう!
まとめ
中年または中年以降の女性に頻発しやすい五十肩、または四十肩と呼ばれる肩関節周囲炎について解説しました。
ちょっとした肩の痛みから始まるかと思いますが、日に日に痛みが増し、ついには腕が上がらなくなるという非常に恐い疾患です。
少しでも症状を実感したら、我慢や放置したりせず、必ず整形外科を受診しましょう。
後遺症を残さないためにも早期発見・早期治療が重要です!
加齢とともに注意が必要な疾患はこちら
→脊柱管狭窄症とは?症状や治療方法は?リハビリは?
→腰椎圧迫骨折とは|原因と治療方法|リハビリ方法は