変形性膝関節症|ヒアルロン酸注射って効果があるの?
2016/03/08
超高齢化社会を迎える日本。
高齢化が進み、長生きするのが当たり前に成ってきた昨今では、
様々な疾患で悩む高齢者も多い。
その中でも特に膝の痛みに悩む高齢者は非常に多いでしょう!
高齢者に代表される膝の痛みの多くは、
【変形性膝関節症】
と呼ばれる慢性の進行性の疾患が原因です。
変形性膝関節症とは、高齢女性に好発する、膝の疾患です。
大腿骨と脛骨の間の間隙が狭小化し、軟骨がすり減ってしまうことで骨同士が衝突し激しい荷重時の疼痛が主症状です。
変形性関節症の詳しい解説はこちらをご覧ください!
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症とは!手術やその後のリハビリは?
→変形性膝関節症でO脚となる原因は?O脚は治るの?
そんな多くの人が抱えている変形性膝関節症ですが、
そんな方々が日頃クリニックなどで治療している方法としてよく聞かれるのが、
「膝に注射を打っている!」
という人が大変多いです。
ここでいう注射というのは、幾つかの種類があるのですが、なんとなく痛いから打ち続けているといった感覚で盲目的に行っている人も多いのが現状です。
そこで今回は、膝に打つ注射の種類を解説しつつ、本当に効果があるのかについても解説します。
高齢者に多い疾患の情報はこちら
→脊柱管狭窄症とは?症状や治療方法は?リハビリは?
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膝の注射の種類
一般に、病院やクリニックで処方される注射の種類には以下のようなものがあります。
・ヒアルロン酸注射
・スベニール・アルツ
・ステロイド剤
ヒアルロン酸注射
もっとも一般的で多くの整形外科で多用されています。
その効果は、いわゆる膝の潤滑剤の役割を果たします。
関節同士が狭小化し、軟骨が磨り減り、骨同士が接触している間隙にヒアルロン酸を潤滑剤・クッション作用として投与することで疼痛の減少に期待できます。
ヒアルロン酸に関する詳しい記事はこちらもどうぞ
→変形性膝関節症にヒアルロン酸注射は効果がある?
スベニール・アルツ
スベニール・アルツとは、基本的には、ヒアルロン酸と同様の効果があります。
理論上はスベニール・アルツの方が効果が高いとも言われていますが、実際には個人差や人それぞれ感じ方が違うので、その人に合わせた処方がされます。
また、スベニール・アルツは変形性膝関節症だけではなく、リウマチ関節などにも適応があるとされています。
ステロイド剤
ステロイド剤は、水腫などがたまっている膝で、ヒアルロン酸などの単独作用では効果が期待できない場合に用いられます。
炎症を抑える効果があるのです。
しかし、何度も繰り返してしまうと、かえって軟骨を損傷するとされているので、その使用には制限があります。
日本においては、三ヶ月程度間をおいて、1年に2回程度とされています。
結局、効果はあるのか?
先に紹介した幾つかの種類の注射ですが、実際に効果があるのでしょうか!?
もちろん、どれも適切な使用をすることで効果が得られると思います。
関節の今日消化があるのであれば、潤滑剤・緩衝剤としてのヒアルロン酸が有効でしょうし、炎症が強ければステロイド剤が有効でしょうし…
ただし、勘違いしてはならないのは、除痛効果を期待して行っているため、関節裂隙の狭小化や軟骨の磨り減りを改善されることはできません。
言ってみれば対症療法であり、疾患を治しているわけではないのです。
このような注射による治療に加えて、適切な運動療法やインソールの使用、姿勢や動作パターンの修正などが必要なのです。
場合によっては、手術などを考えなければならないこともあるかもしれません。
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→【変形性膝関節症】TKA術後のリハビリテーションって何をするの?
→変形性膝関節症にサポーターは効果がある?選び方のコツは?
まとめ
変形性膝関節症に対して打つ注射の種類を解説しつつ、本当に効果があるのかについても解説しました。
「痛いけど、打っているから治る」
わけではありません。
何の目的に、何を使用して、どうなっているのか!?
そしてこれからも効果があるのか、他の治療選択が必要なのかも、しっかりと自分でも吟味しながら治療を進めていきたいですね!
高齢者がかかりやすい疾患はこちら
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