抱っこして歩くと赤ちゃんが泣き止む 「輸送反応」って何?
一度赤ちゃんが泣きだすと、泣きやむまでにあの手、この手を使いますよね!?
皆さんはどのような方法を使って赤ちゃんをあやしますか?
赤ちゃんが泣きだした時、様々なあやし方で泣きやます方法があると思います。
簡単に思いつくのは、
・抱っこする
・頭を撫でる
・ゆらゆらさせる
などがあると思います。
これらは、人によって泣き止む、泣きやまない方法もあると思いますので、万人に共通するものではないかもしれません。
しかしながら、普段から自然に行っているあやし方で
「抱っこして歩く」という方法もありますよね。
この方法が、最も赤ちゃんが泣き止む確率が高いことを母親の皆さんなら経験的に感じてはいないでしょうか?
実はこれ、「輸送反応」と呼ばれるそうで、理化学研究所を中心とした共同研究チームが発見されたそうです。
そこで今回は、抱っこして歩くと赤ちゃんが泣き止む 「輸送反応」って何かについてまとめてみます。
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輸送反応って何?
輸送反応とは、赤ちゃんを抱っこして移動したりすることで、赤ちゃんがリラックスする反応のことを言うそうです。
人間だけでなく、動物でも同じような光景を見たことがありませんか?
ライオンの母親が、子供を口に咥えて運ぶ行動こそが輸送反応というわけです。
過去には、このような反応についてあまり科学的な研究などは行われていなかったそうです。
輸送反応で得られる身体反応
実際に、赤ちゃんは運ばれることによって、どのような身体反応を示すのでしょうか?
共同研究チームが行った実験の中では、
【心拍数の顕著な低下】が認められたそうです。
しかも、歩き始めて約3秒ほどで…!!
これによって、座っている時に赤ちゃんが泣く量が約10分の1に!
自発的な動きは約5分の1になってそうです!
かなりリラックスしているということなんでしょう。
しかも、この時の赤ちゃんは、輸送反応によって、自分を運んでくれる人に対して体を丸めて運ばれやすいように自律的に協力するような姿勢反応を呈すようです。
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誰が抱っこしても良いの?
輸送反応が通用するのは、母親に限定したことなのでしょうか?
いや、そうではないようです。
母親でも、
父親でも、
その他の保護者でも同じようにできることが予備実験などからも明らかになっているようです。
世のお父さんたちもこれで安心ですね。
輸送反応効果は持続するの?
輸送反応によって、歩いている間は赤ちゃんが泣き止みます。
しかしながら、歩くのをやめる、座ってしまうと、再び赤ちゃんは泣き始めてしまうようです。
これも、経験的に分かっている人も多いのではないでしょうか。
輸送反応はあくまで、赤ちゃん自身が生存に有利になるように備わっている生理的な現象であるため、移動を止めてしまえば、元に戻るのは当たり前なんだそう。
そうであるとしても、一時的に赤ちゃんを泣きやませたいときなどには非常に有用な方法ですよね。
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まとめ
今回は、抱っこして歩くと赤ちゃんが泣き止む 「輸送反応」って何かについてまとめてみました。
今まで、経験的に分かったいたことなどが、科学的に証明されることは、皆の共通理解や知識が生まれ、反対に多くの誤解や解消されるため、非常に有用なことなのです。
赤ちゃんは、ただ育てられる存在ではなくて、親の愛着やお互いの協力によって成り立つ相互作用の中で生きているんですね。