ジカ熱とは?その感染経路は?オリンピックは大丈夫?
ブラジルで発生し、小頭症との関係性も示唆されている
「ジカ熱」ですが、現在でも有効なワクチンは存在しません。
再度、「ジカ熱」とはどういった感染症であるのかをまとめます。
「ジカ熱」は、
“ジカウイルス”による感染症です。
その原因は、「蚊」を媒介とした感染症です。
デング熱と似た症状を呈しますが、それよりも症状は軽いとされています。
感染による一番の被害は、妊婦が感染すると、
「小頭症」と呼ばれる疾患を持つ赤ちゃんが生まれる可能性があることです。
2016年は「ジカ熱」の流行国、ブラジルでのオリンピックも控えています。
そこで今回は、「ジカ熱」について再度おさらいしてみましょう!
Contents
「ジカ熱」とは?
「ジカ熱」は、フラビウイルス科の“ジカウイルス”によって引き起こされる感染症です。
過去(2007年)には、ミクロネシア連邦のヤップ島で流行を認めました。
最近では2015年のブラジル及びコロンビアなどの南アメリカ大陸で流行しました。
なお、日本でもジカ熱の症例が確認されたことがありますが、いずれも流行地域への渡航歴がある輸入症例だったそうです。
「ジカ熱」の原因は?感染経路とは?
「ジカ熱」はデング熱などと同様に“蚊”を媒介とする感染症です。
ネッタイシマイカやヒトスジマイカなどが媒介蚊とされています。
ジカ熱流行当初は、
このような蚊を媒介とした感染のみで、
“人”から”人”への感染はないとされていました。
しかしながら、調査が進むにつれて、
「性行為」による感染事例が報告されました。
さらには、輸血による感染も危惧されているようです。
「ジカ熱」の症状は?その潜伏期間は?
「ジカ熱」の症状は、
デング熱と類似した症状が出現します。
2〜12日程度の潜伏期間を経て、
・軽度の発熱
・頭痛
・関節痛
・筋肉痛
・倦怠感
・結膜炎
などです。
風邪の症状に近く1週間程度で治まるようです。
デング熱の症状などと比べると軽い症状です。
ただし、ジカ熱の本当の怖さは、この症状によるものではありません。
「ジカ熱」と小頭症との関係は?
「ジカ熱」は、妊婦が感染することで、
胎児が感染し、「小頭症」を発症することがブラジルで多数報告されています。
ジカ熱と小頭症との関連は現在も研究されているところですが、
高い確率での関連が示唆されます。
ちなみに小頭症に関する記事はこちらを参照してください!
→小頭症とは?寿命はどのくらい?ジカ熱との関係は…
「ジカ熱」の治療法は?
残念ながら現在までのところ、
「ジカ熱」に対する有効なワクチンや予防薬はないそうです。
つまり流行してしまった場合は、
誰にでも感染の可能性があるということです。
だからこそ、感染しないための対策が必要になります。
2016年開催のリオオリンピックは大丈夫なのでしょうか!?
→オリンピック(五輪)の歴史とは?いつから始まった?過去の開催地は?
オリンピックは大丈夫?
2016年に開催されるリオオリンピック。
感染の心配があるかないかと言ったら、
「大いにあるでしょう!」
実際に、日米の有識者たちが「オリンピックの中止」や「開催地の変更」を求める声明なども出しています。
一方で、オリンピックでなくとも人々の「往き来」は変わらないとのことで、WHOは、オリンピックの開催の有無が「ジカ熱」の流行には関係がないとも発表しています。→こちら
一方で日本においては、厚生労働省が、重要なお知らせとして、ジカウイルス感染症に対する注意事項を呼びかけています。
そこには、
・妊婦及び妊娠の可能性がある人の渡航自粛の呼びかけ
・性行為での感染のリスクを呼びかけ
・虫除け剤の使用など蚊に刺されない対策の呼びかけ
・帰国後は、最低4週間は妊娠を控える呼びかけ
などが記載されているので、渡航の予定がある場合は確認しましょう!
まとめ
今回は、「ジカ熱」についてまとめてみました。
最大の感染対策は、「渡航しない」ことですね。
それでも渡航する必要がある際には、
必ず日本に持ち帰ってこない責任を抱え、様々な対策のもと渡航することが最低限のマナーと思われます。