糖尿病は合併症に注意!失明や切断、脳梗塞なども…
「糖尿病」は、血液中の糖の値が上昇する疾患です。
現代病とも言われており、
今では、患者予備軍を合わせると1600万人にも及ぶ、まさに国民病とも呼べる疾患です。
今後ますます増加すると見込まれる糖尿病ですが、
本当に怖いのは、その【合併症】です。
「糖尿病」とは、
インスリンと呼ばれる血液中の糖をエネルギーに変える作用が何らかの原因で低下し、
血液中の糖の値が上昇する疾患です。
糖尿病には、様々なタイプがありますが、多くは、家族性を持つ二型糖尿病であり、
その発症には、過食や運動不足、肥満やストレスなどの生活習慣が多いに関係します。
そのため、【生活習慣病】とも言われています。
糖尿病の症状には、
多尿や口渇、体重減少、易疲労性などの症状が出現しますが、
本当に怖いのは糖尿病の合併症なのです。
そこで今回は、糖尿病の合併症について解説します。
糖尿病の合併症とは?
糖尿病には、様々な合併症が出現しますが、
その中でも代表的な合併症が幾つか存在します。
・糖尿病性網膜症
・糖尿病性腎症
・糖尿病性神経症
・その他の合併症
命の危険に及ぶものも存在し、
合併症に関する正しい理解が不可欠です。
糖尿病性網膜症
糖尿病性網膜症は、高血糖が続いた結果として、
“網膜に栄養を供給する血管の脆弱性や狭窄、出血などをきたす病態”です。
初期には、微小出血や白斑が認められ、進行すると視力障害や視野異常、さらには失明に至ります。
実際に中途失明の原因疾患の第1位であり、年間で3,000人が、この網膜症で失明しているのです。
自覚症状なく進行することが多い為、早期発見が難しいことが進行を許してしまう原因でもあります。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は、
“腎臓の糸球体の障害により、濾過機能が破綻した病態”です。
身体の中で老廃物を含む血液を濾過して、体外に排出する機能を持つ腎臓の障害は、
慢性腎不全に移行し、透析が必要な状態にまで進行します。
現在では、透析治療に至る原因の中で、糖尿病性腎症が第1位を占めます。
糖尿病性神経症
糖尿病性神経症とは、高血糖状態が続くことで、
“末梢神経が変性をきたした病態”です。
具体的には、手足の先端から痺れが生じ始め、進行すると運動麻痺や顔面神経麻痺、外眼筋障害などが生じます。
最終的には、完全な感覚脱出となり、怪我に気づかないなんてことになります。
そうなった場合、血行障害も合併していることもあり、治癒が遷延し、組織の壊疽が起こります。
結果的に、四肢を切断する状態にまで進行することがあります。
実際に、現在の切断原因の中でも、糖尿病性神経症による知覚以上から壊疽を生じ、切断に至るケースが大多数を占めます。
その他の合併症
糖尿病は、血管に関係している疾患であることから、血管に関連した合併症が生じます。
代表的な疾患としては、
・脳血管障害(脳梗塞)
・狭心症や心筋梗塞
などが挙げられます。
それぞれに関する詳しい記事はこちら
脳血管障害
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
→脳卒中の前兆とは|しびれや脱力が生じる!?
狭心症や心筋梗塞
→心筋梗塞|冬はリスクが高い|予防方法や対策は
まとめ
今回は、糖尿病の合併症について解説しました。
一つとして、軽視できる合併症はなく、
いずれも命の危険に直結する合併症ばかりです。
予防法は言うまでもなく、血糖のコントロールであり、自身の生活習慣をもう一度見直すところから始めるしか方法はありません。