CDトキシンとは?症状や治療法は?その感染経路は?
「CDトキシン」って何のことだかご存知ですか!?
医療関係者であれば、耳にしたことはあるかもしれません。
CDトキシンは、腸の疾患を引き起こす“細菌”です。
「CDトキシン」は、
“クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)”と呼ばれる細菌です。
特に下痢や大腸炎などといった、
深刻な腸の疾患を引き起こす細菌と言われており、
院内での感染による下痢症状の最も頻度の高い細菌です。
具体的には、
「入院中の抗菌薬関連下痢症の20~30%」
「偽膜性腸炎の90%」
を占めると言われています。
また、重症に至ると致死性の合併症を併発する可能性もあり、
その感染経路を絶つ対策などが重要です。
今回は、CDトキシンの原因、症状や治療法、その感染経路などを解説します。
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CDトキシンの原因は?
CDトキシンは通常、健常な人が罹患することはありません。
(正確には、保菌しているが発症することがない)
罹患しやすい人は、
・抗生物質の長期服用が必要な患者
・高齢者
などです。
この様に体力が低下している人にとっては、少ない細菌量でも感染を引き起こすために注意が必要です。
また、抗生物質を用いた治療自体が最も主要なリスク要因と考えられており、ほぼすべての抗生物質が該当します。
CDトキシンの感染経路は?
感染経路として最も主要なものは、
「糞口経路」による感染です。
特に、病院や施設内では看護師やリハビリ職種、ケアワーカーなどの手を介して感染が拡がることがあります。
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CDトキシンの症状は?
CDトキシンに感染した場合の典型的な症状は、
・腹痛
・水様または血性の下痢
・発熱
・食欲不振
・吐き気
などがあります。
単純にこれらの症状のみであれば良いのですが、
以下の様な合併症を生じる可能性があります。
・大腸炎
・敗血症
これらの合併症は、体力の低下した患者の場合、
「致死性」になりやすいために注意が必要です。
CDトキシンの治療法は?
CDトキシンの治療は、抗生物質を服用中の場合には、
“服用を中止すること”です。
大腸炎等の合併症がない場合には、10日前後で症状は回復するようです。
重症の大腸炎などを合併している場合などは、
抗生物質のメトロニダゾールやバンコマイシンが有効であるとされています。
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まとめ
今回は、CDトキシンの原因、症状や治療法、その感染経路などを解説しました。
何よりも感染を広げないことが重要であり、
病院や施設などでは組織的な感染予防対策が必要となります。
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