「RS3PE症候群」ってどんな疾患?予後やリハビリの必要性は?
「RS3PE症候群」
スターウォーズにでも出てきそうな名前ですが、
正真正銘、疾患の名前なんです。
「RS3PE症候群」
“あーるえすすりーぴーいーしょうこうぐん”
と読みます。
「RS3PE症候群」は、
関節リウマチに比較的似た症状を呈しますが、
関節リウマチとは区別されます。
60歳以上の高齢者に好発し、
とりわけ男性に多い(男性:女性=4:1)疾患です。
主な症状は、
左右対称性に認められる手指や足趾の関節痛です。
特に手指の屈筋腱の疼痛を認めます。
あまり聞きなれない疾患名なので、
どんな疾患だろうかと疑問に思う人もいるかもしれないので、
「RS3PE症候群」について簡単に症状や予後、リハビリテーションの必要性などを記載します。
「RS3PE症候群」とは?
「RS3PE症候群」は、
1985年にMcCartyらによって提唱された疾患です。
この難しい名称には実は意味があるんです。
それは以下のような意味です。
R:予後良好
S3:3つのSである「リウマチ因子陰性(seroegative)」「対称性(symmetrical)」「滑膜炎(synovitis)」
PE:圧痕浮腫
つまり、“リウマチとは区別され、左右対称の手足の腫れを認める予後良好な症候群”
となるわけです。
おおよそこの疾患の特徴が分かりますよね。
発症は60歳以上に多く、性差では男性に多く認めます。(男性:女性=4:1)
その他、詳細な疫学は不明であるとされています。
「RS3PE症候群」の症状は?
「RS3PE症候群」はどのような症状を呈すのでしょうか?
「RS3PE症候群」は突然の発症をします。
その症状は、
・対称性の手指や足趾の関節痛
・手背や足背に圧痕を残すむくみ
・手指屈筋腱の炎症性の疼痛
です。
X線状における関節破壊はなく、
再燃や再発することは稀です。
合併症として、
消化器系や造血器系、前立腺の悪性腫瘍があります。
「RS3PE症候群」の治療やリハビリテーションは?
前述したように、「RS3PE症候群」は予後良好な疾患です。
その治療法は、薬物療法が第一選択となります。
特にステロイドが著効を示します。
効果を確認しながら徐々に投薬の量を減らしていきます。
おおよそ数週間から数カ月で関節痛も消失することが多いです。
そのため、特別リハビリテーションの重要性は高くはないのですが、
あまりに疼痛が強く、長い不動をきたす場合には、
関節を動かす関節可動域訓練などを行うことも考慮する必要があるでしょう。
まとめ
「RS3PE症候群」について症状や予後、リハビリテーションの必要性などを記載しました。
あまり聞きなれない疾患名なだけに、
不安になる方も多いかと思いますが、予後は良好な疾患です。
膠原病である関節リウマチとの鑑別が必要で適切な診断、適切な治療が重要です。
関節リウマチに関する記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチの診断基準とは?