正座をするとなぜ足が痺れるの?解明されたそのメカニズムとは?
「足の痺れ」
誰もが経験したことのある、
ピリピリとした嫌〜な感覚ですね。
正座などをした時に生じる痺れはなぜ起こるのでしょうか!?
誰もが経験するであろう、
ピリピリやジンジンとした感覚と表される「痺れ(しびれ)」。
特に日本における畳の生活では、
テーブルを囲んだ食事の際や、礼儀作法として正座が定着している中で、
足の「痺れ」を経験する機会は少なくありません。
年に数回は行う場面があるでしょう。
そんな痺れは、
正座を維持していることが難しいばかりか、
すぐに立ち上がることが出来なかったりと、何かと邪魔な感覚に感じることもあるでしょう。
しかしながら、そんな痺れも身体の防御機構としてしっかりと機能を果たしているのです。
そこで今回は、意外と知らない正座で足が痺れるメカニズムについて、
最新の知見なども踏まえて紹介します。
足の痺れの原因は?
足の痺れを感じさせるのは、
末梢神経と呼ばれる足に分布している神経からの伝達信号です。
正座は確かに痺れを生じさせるために十分な要因を含んでいますが、
必ずしも正座でなくとも痺れを再現することは可能です。
その方法とは、「圧迫」です。
正座で考えてみると、
痺れを生じる下腿の部分は、その上に身体の重さがズシッと乗っかるため、
その重みにより圧迫されます。
圧迫が生じることによって、下肢を走行する血管の流れが停滞し、
本来下肢の末梢神経に送られるはずであった酸素が欠乏します。
このことによって、
末梢神経は機能が低下し、異常な電流を生じさせ、それを脳が感じ取って足が痺れていると感じさせるのです。
ちなみにこの機能は、
下肢に異常が生じていることを知らせるための防御機構の一つであり、
身体を守るために非常に重要な機能なのです。
最新の知見による痺れのメカニズムとは?
下肢に生じる痺れは、
圧迫による血流不足が末梢神経の機能を狂わせ、その防御機構として生じさせることを説明しました。
この現象を、
よりミクロな世界で解明した研究者たちがいます。
それは、英国科学誌「サイエンティフィックレポーツ」に掲載され、
痺れを症状として有する疾患の治療薬の開発にも期待される成果です。
それによると、
正座などで生じる痺れは、圧迫後に血流が再開し、
皮膚付近の神経のタンパク質が活性酸素によって刺激を受けることによって生じる
ことを明らかにしています。
この活性酸素に反応して疼痛を生じる感覚神経のタンパク質は、
「TRPA1」と呼ばれるそうです。
つまり、圧迫が解除され、大量に発生した活性酸素とこの「TRPA1」が、低酸素などの状態によって活性化することによって痺れを引き起こすそうです。
「しびれ」による痛みのメカニズムを解明 -糖尿病や血流障害によるしびれ治療薬の開発に期待-
まとめ
今回は、意外と知らない正座で足が痺れるメカニズムについて、最新の知見なども踏まえて紹介しました。
痺れが生じるのは、正座に限ったことではなく、
圧迫によって生じるものだったのですね。
しかも圧迫している間に強く生じるのではなく、圧迫が解除され血流が再び戻った際に、化学物質の反応によって生じるというのは知らない人も多いはず。