ダウン症とは|原因や症状|リハビリについて
2016/03/06
「ダウン症」という言葉を誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。
最近では、出生前診断に関連して報道されたり、毎年24時間テレビなどでも特集を組まれて報道されることがあります。
「ダウン症」とは、「ダウン症候群(だうんしょうこうぐん -Down syndrome-)」の略称です。
人類史上最も多い遺伝子疾患とも言われ、その人数もかなり多いと言われています。
「ダウン症」は、染色体異常を特徴とし、主に精神発達の遅れや、特徴的な顔立ち、運動機能の発達の遅れなどもみとめます。
その特徴的な顔立ちから一見するだけで、「ダウン症」かなと思うことがありますが、実は様々なタイプがあったり、症状の重さも人それぞれ大きく違いがあります。
また、以前は、寿命に関しても短命と言われていましたが。
しかしながら現在では、医療の進歩によって、その寿命もかなり伸びてきているそうです。
そこで今回は、この「ダウン症」について、原因や症状、またリハビリテーションなどについて調べてみました。
Contents
ダウン症とは!?
ダウン症とは、正式には「ダウン症候群」と呼ばれ、染色体の突然変異によって起こります。
通常では、21番目の染色体が2本あるところ、1本多くあるために生じる疾患で、「21トリソミー」とも呼ばれています。
遺伝子疾患の中で最も頻度が多く、典型的な特徴とも言える症状が数多くあります。
平均寿命はおよそ60歳前後まで上昇したと言われています。
ダウン症のタイプ!?
ダウン症と一概に言われますが、その中にもタイプがあります。
・標準型:標準型21トリソミーとも言われます。最も典型的なタイプで全体のおよそ90%〜95%を占めています。普通は22本あるはずの染色体の数が1本多く23本となります。
・モザイク型:モザイク型は、21番目の染色体が、2本の細胞と3本の細胞とが混ざっているために生じます。ダウン症の中でも最も稀で全体の1〜3%程度です。
・転座型:転座型は21番目の染色体のうちの1本が他の染色体にくっついてしまうために生じます。全体の5%〜6%程度でありますが、その半分は突然変異ですが、残り半分は、遺伝性転座であり、親に転座染色体保因者がいる場合とがあります。
ダウン症の原因!?
ダウン症の原因は先にも述べたように染色体の異常が原因となります。
精子や卵子が作られる過程で、染色体がうまく分離しないことが原因となります。
ただし、その理由はほとんど解明されていないのが現状だそうです。
一部遺伝的な理由もありますが、基本的には突然変異です。
出生の確率は!?
ダウン症の出生率はおおよそ800人〜1000人に1人と言われています。
ただし、母親の年齢による影響が大きく、特に高齢出産ではその確率が高いと言われています。
例えば20歳では約1500分の1程度の確率ですが、30歳では400分の1、40歳では60分の1など、その確率は驚異的ともいえるほど上がっていきます。
出生前診断とは!?
現在では、出生前にダウン症ではないかを調べるスクリーニングや出生前診断と呼ばれるものがあります。
具体的な方法としては、
・血清マーカー検査
・超音波検査
・羊水検査
・絨毛検査
などがあります。
対象者は35歳以上の高齢出産となる女性や、過去に染色体異常のある児を出産した人となります。
ただし、羊水検査などでは、流産のリスクがあったり、もし子供が「ダウン症」と分かった時の両親の対応など様々な問題が生じるのも事実です。
ダウン症の症状は!?
それでは、実際にダウン症にはそのような症状が現れるのでしょうか!?
単一の障害ではなく、幾つかの症状を合併して生じます。
※ここでは身体的な特徴も症状と合わせて記載します。
・丸くて起伏の少ない顔立ちであり、低い鼻、耳が小さい
・つり上がった目で、目と目の間が広い
・指が短い
・知的障害
・先天性の心疾患
・低身長で肥満傾向
・関節は弛緩性で筋力は弱い
・視力の低下
などなど、他にも細かく上げると数多くの特徴があります。
こういった症状が合併することで結果として運動機能や精神機能だけでなく、社会性などの問題などが生じることがあります。
ダウン症治療法は? リハビリテーション?
それでは、ダウン症に対する治療方法はあるのだろうか!?
残念ながら現在のところ、根治的な治療方法はありません。
そのため、症状に対して各々の治療が行われます。
例えば、関節の弛緩性や筋力の未発達から、立ち上がりや歩行の発達も遅延することがあります。
その際に、身体の使い方の問題などで、弛緩した関節が変形が生じることもあり、リハビリテーションで装具を処方してもらったり、起立や歩行訓練などを専門の療法士によって行ってもらいます。
あくまでその方法は、個人個人の症状に合わせたもので、決して正常と呼ばれる運動に近づけようとするものではなく、その子らしく生活していくために必要な運動機能の獲得を、療法士と親子で共に模索していく作業といっても良いでしょう!
まとめ
今回は、「ダウン症」について、その原因や種類、リハビリについて調べてみました。
ダウン症といっても一概に言えず、人それぞれ特徴的な症状を呈します。
どのような疾患でもそうかもしれませんが、特に、先天性の疾患では家族が一体となって向き合っていくことが重要だと思います。
今後は、医療の進歩によって、遺伝子などの方法からダウン症の治療の可能性もあるそうです。