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「重症筋無力症」とは?リハビリにおける禁忌や注意事項は?

   

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「重症筋無力症」

あまり聞きなれない疾患ですが、

日本では、“特定疾患”に指定されている難病です。

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「重症筋無力症」とは、

自己免疫疾患の一つで、

神経と筋肉の接合部(神経筋接合部)における伝達障害によって生じる疾患です。

 

主な症状は、全身の筋力低下易疲労性が出現しますが、

もっとも特徴的なのは、“眼瞼下垂”“複視”などの目に関する症状です。

 

その有病率は、人口10万人あたり11.8人(2006年)とされています。

男女比では、やや女性に多く、男性は50歳代、女性は20-30歳代での発症が多いです。

 

その名の通り、「筋が無力」になるわけで、

“力をつければ良い”のでは…

と単純に考えてしまいそうですが、それは危険なんです。

 

そこで今回は、「重症筋無力症」とはどんな疾患なのか?

そして、リハビリにおける禁忌や注意事項などを解説します。

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Contents

「重症筋無力症」とは?

重症筋無力症は、

“ニコチン性アセチルコリン受容体に抗アセチルコリン受容体抗体が結合することで、アセチルコリンによる神経・筋伝達を阻害されて起こる自己免疫疾患”です。

簡単に言うと、動かそうとしても、筋肉を動かすための伝達物質が遮断され、

力が出せないという状態です。

 

現在では、診断技術の進歩によって、早期診断・早期治療が可能となったために、

予後は良好と言えます。

おおよそ半数程度が、社会生活を営める程度でありますが、

呼吸器系の合併症などで命を落とすこともあります。

 

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「重症筋無力症」の原因は?

重症筋無力症の原因は、自己免疫の異常が問題となるのですが、

なぜこのような抗体が作られるのかははっきり分かっていません。

基本的には、遺伝による発症も否定されています。

(ごく稀にあるそうですが…)

 

ただ、抗アセチルコリン受容体抗体を持つ患者の多くが胸腺の異常を持つことから、何らかの関与が疑われます。

 

 

「重症筋無力症」の症状は?

重症筋無力症の症状は、以下のようなものがあります。

・筋力低下
・易疲労性(疲れやすい)
・眼瞼下垂
・複視
・発語
・嚥下障害

いずれの症状も、

筋力の低下によって生じる症状です。

最終的には、呼吸筋にまで症状が及び、

呼吸不全などに陥ると生命を脅かす危険があります。

 

 

「重症筋無力症」の治療は?

重症筋無力症の治療は、

・対症療法
・免疫療法

に大別されます。

 

対症療法として、コリンエステラーゼ阻害薬を投与することで、

一時的に神経から筋肉への信号伝達を増強することができます。

ただし、あくまで対症療法であり、根治療法ではありません。

 

治療の基本となるのは、免疫療法で、

病気の原因となる抗体の産生を抑制します。

具体的には、ステロイド免疫抑制薬などが用いられます。

 

その他にも、抗体を取り除く血液浄化療法や、

大量の抗体を静脈内投与する大量ガンマグロブリン療法などがあります。

 

また、同時並行的に筋力や日常生活動作を維持・向上させるための

リハビリテーションが適応となります。

 

 

重症筋無力症に対するリハビリの禁忌や注意事項は?

重症筋無力症に対するリハビリテーションは、

筋力の低下に対して、筋力の増強するようなトレーニングを行えばいい!…

と多くの人が思うと思います。

 

間違いではありません。

実際に、筋力トレーニングや、有酸素運動(呼吸器系に対して)を組み合わせた方法が有効であると言われており、

歩行や、エアロバイクといった運動を取り入れます。

 

ただし、注意しなければならないのが、あくまで適度な負荷量で行うことです。

本疾患は、易疲労性などを有していることから、

過度な負荷は、反対に活動量の低下を招きます。

適度な負荷とは、翌日に疲労が残らない程度が良いでしょう。

 

 

まとめ

今回は、重症筋無力症について、そしてリハビリにおける禁忌や注意事項はなどを解説しました。

早く治したいからといって、張り切って訓練を行う必要はありません。

低負荷・高頻度で最適な負荷量で行っていくことが重要です。

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