腰椎圧迫骨折とは|原因と治療方法|リハビリ方法は
2016/03/16
腰椎圧迫骨折という疾患を聞いたことがあるでしょうか!?
高齢化社会である今、非常に頻発している疾患であり、日常生活活動動作を大きく低下させる原因にもなります。
背骨は、脊柱とも呼ばれ、合計5種類32-34個の骨で構成されています。
その中でも腰椎というのは、骨盤のやや上に位置する5つの脊椎のことを言います。
「腰椎圧迫骨折」とは、脊椎圧迫骨折の一つで、脊柱の中でも腰椎の骨折によるものを指します。
受傷原因は主に、外部からの圧力(特に圧迫力)によって腰椎が潰れてしまうことで生じます。
尻もちなどの転倒に起因するものもあれば、くしゃみなどで生じてしまうこともあります。
これは、背景に骨粗鬆症などの合併疾患がある場合に頻発します。
そこで、今回は、高齢者に頻発する腰椎圧迫骨折の原因や治療法、病院で行われる腰椎圧迫骨折のリハビリについて紹介します。
腰椎圧迫骨折の分類方法に関する記事はこちらを参照ください!
→腰椎圧迫骨折の診断や判定方法は?分類方法はある?
腰椎圧迫骨折とは
腰椎圧迫骨折とは、文字通り5つの腰椎のいずれかが、圧壊することによって生じます。
実際には、腰椎と胸椎の移行部である胸椎12番と腰椎1番の間に生じやすいですが、どの部位にも生じることがあります。
基本的には、骨粗鬆症を有している、または骨の強度が低下しやすい女性に頻発します。
骨折は脊椎の前方部が圧壊することが多いですが、場合によっては、後方部を圧壊することもあります。
その場合には脊柱の中を通る脊髄を圧迫する可能性もあり、神経症状として下肢の痛みや痺れが合併することもあります。
受傷起点としては、転倒による尻もちが最も多いです。
下方からの外力によって脊柱が潰れてしまうのです。
その他にもくしゃみや、ただ生活していただけでなってしまうなど、骨の脆弱性に依存してどのような衝撃においても骨折してしまうことがあります。
腰椎圧迫骨折に関する詳しい記事はこちらを参照ください!
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
腰椎圧迫骨折の治療方法
腰椎圧迫骨折には根治的な治療方法はありません。
それではどのように治療を行うのでしょうか!?
治療は基本的には保存療法が選択されます。
つまり、何もせずに安静にしていることで骨が癒合するのを待つのです。
その際には、ただ寝ているだけではなく、コルセットと呼ばれる腰椎へのベルトを巻くことでさらなる圧壊を予防するのです。
コルセットの効果としては体幹の運動を制限し(特に前屈)、さらなる悪化を予防することが主な機能です。
基本的には軟性コルセットと呼ばれるベルト固定式のものが選択されますが、神経症状が生じているような重度の骨折の場合は、すべての動きを制限する硬性コルセットなども使用されます。
腰椎圧迫骨折の手術に関する詳しい記事はこちら
→腰椎圧迫骨折の手術療法とは?その種類は?
コルセットの種類や効果についての詳しい記事はこちら
→腰椎圧迫骨折の保存療法!コルセットの効果とは?
腰椎圧迫骨折のリハビリテーションとは
腰椎圧迫骨折を生じた場合、コルセットを装着して比較的早期からリハビリテーションが施行されます。
と言っても、リハビリテーションによって骨折部の治癒が促進されるわけではありません。
先にも述べたように、骨折部の癒合は時間によって自然治癒の一部でなされるものです。
その中でリハビリテーションは、痛みの回避による二次的な腰痛予防や、姿勢の崩れ、体力や筋力の低下などに対して行われます。
腰椎圧迫骨折を生じる者の多くは高齢者です。
「安静にしていたら歩けなくなった」では困ります。
最短かつ最速で日常生活に復帰するためにリハビリテーションは行われるのです。
具体的には、筋力増強訓練や、起立や着座、歩行訓練などを行います。
腰椎圧迫骨折のリハビリテーションについての詳しい記事はこちら
→腰椎圧迫骨折のリハビリテーション方法や禁忌事項とは?
→腰椎圧迫骨折におけるリハビリテーションの評価項目は?
まとめ
今回は、腰椎圧迫骨折について、その原因や治療法、リハビリテーション方法についてまとめました。
なってしまったらある程度の安静期間が必要ではありますが、その間に体力を低下させないようにリハビリテーションが必要になります。
効果的な予防方法は、転倒などを引き起こさないことにつきます。
圧迫骨折を生じてしまうと、円背が強くなったり、動くことが億劫になって寝たきりになるなどの弊害もあるため、侮ることなく、リハビリテーションなどを実施していきましょう。
気になるこちらの記事もどうぞ
アルツハイマー型認知症
白内障手術の最前線|日帰り手術や点眼での治療も可能?