介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いは?料金に違いはある?
2016/12/03
皆さんは老後の事をどれくらい考えていますか?
自分の両親や配偶者が歳をとり、病気を患い、介護が必要になる瞬間は本当に一瞬で訪れ、なんの準備もないままに様々な選択が迫られます。
その一つとして最も頭を悩ますのが、生活拠点ではないでしょうか!?
現在の医療では、ほとんどの場合、病院で加療を受け、リハビリテーションなどの訓練を受けて日常生活に復帰します。
たとえ、日常生活動作が自立(自分で身の回りの事が出来る)できなくとも、介護者がいる場合や、適切なサービスが受けられる場合は、自宅に帰る事も可能となるでしょう。
しかし、自宅に介護者がいない、または老老介護(老人が老人を介護する)の場合など、自宅に戻れない場合も決して稀ではありません。
その場合は、どこを生活拠点とするのでしょうか!?
昔は、しばしば老人ホームと呼ばれていましたが、現在は介護保険制度下で様々な施設の選択肢があります。
多くの人が選択肢として考える施設に、
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
があります。
老後は年金生活のために、お金に余裕がないという人も多いでしょう。
そこで今回は、この介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いに触れ、料金などにも違いはあるのかを解説します!
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介護老人保健施設とは
介護老人保健施設とは、運営している事業者が公的な機関です。
医師や看護師などの管理のもと、主に在宅復帰を目的とした、看護や介護、リハビリテーションを受けながら生活をする施設です。
介護老人保健施設で提供されるサービスは、食事や入浴、排泄などの身体介護に加え、医師や看護師などの医療体制のもとでの管理、そして、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などによるリハビリテーションです。
在宅復帰を目的としているため、入所後は3ヶ月ごとに入所継続か、退所などの判定会議なども開かれます。
もちろん、退所が必要となったら、また新たな施設を探す、または自宅へ戻るという選択肢となります。
病院でリハビリテーションを終えたが、まだ家に帰る準備が出来ていない、もう少し自信をつけてから帰りたいという人が多いです。
ただし、実際には、自宅復帰を名目に入所したものの、家に帰られない、次の施設が見つからないなどの理由で、長期入所している人も少なくありません。
費用は?
介護老人保健施設の入所に際しては、初期費用が必要ありません。
基本的には、身体介護やリハビリテーションによるサービス料を月々支払う事になります。
このような費用は、介護保険にて要介護または要支援の認定を受けている人が対象になっており、介護度によって多少の上下はありますが、1割負担で利用が可能です。
なお、食費や電話、娯楽費などは自己負担となります。
これらを合わせても、その総額は、8〜13万円程度と言われています。
特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームは、重度の介護が必要な人に対して、生活の拠点として入所する施設です。
運営している事業者は公的な機関となります。
いわば、人生の最期まで、その施設で生活することが可能で、実際にその場合がほとんどです。
食事や排泄、入浴などの基本的な介護サービスを提供していますが、医学的管理下でのケアは限定的で、リハビリテーションなどの実施も少ないです。
その分、レクリエーションや娯楽などに充てる時間が長く、それぞれ自分らしく最期まで生きることを重視します。
ただしその分、入所期間が長く、なかなか空きが出ないことがあり、その待機期間は年に及ぶ待ちがある場合が多いです。
費用は?
特別養護老人ホームの入所は、初期費用は必要ありません。
基本的には、身体介護やレクリエーションによるサービス料を月々支払う事になります。
このような費用は、介護保険にて要介護または要支援の認定を受けている人が対象になっており、介護度や居室の設備、さらには世帯収入や課税状況によって多少の上下はありますが、1割負担で利用が可能です。
なお、食費や電話、娯楽費などは自己負担となります。
これらを合わせても、その総額は、5〜13万円程度と言われています。
介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いとは
介護老人保健施設と特別養護老人ホームそれぞれの違いを解説しました。
まとめると、
・介護老人保健施設は病院と自宅の中間施設であるが、特別養護老人ホームは、人生の最期を迎える場所
・介護老人保健施設は医学的管理が豊富でリハビリテーションを行うが、特別養護老人ホームはレクリエーションなどの娯楽が多い
・料金に関しては、大きな差がない
以上のようになります。
その他にも有料老人ホームなどの選択肢もあります。
正しい知識を身につけて、その家庭にあった最善の選択が行えると良いですね!
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