夏に多い「脳梗塞」に注意!その原因や対策は?
脳梗塞は、脳の血管の疾患であり、
命を落とすだけでなく、様々な後遺症を残すことで知られています。
そんな脳梗塞に、「季節性」があるのをご存知ですか!?
「脳梗塞」は、脳の血管が何らかの原因で狭窄、または完全に閉塞することで、
周囲の組織が壊死する疾患です。
命を落とす危険だけでなく、脳の支配領域に応じた様々な後遺症が存在します。
脳梗塞の詳しい記事はこちら
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
→片麻痺|脳卒中後遺症|痺れの原因は?治る?
そんな脳梗塞ですが、「季節性」があるのをご存知ですか?
一般には、寒い冬の方が脳梗塞になりやすいのでは…
というイメージをお持ちかもしれませんが、
実は、脳梗塞は「夏」に多く発症することが明らかになっています。
なぜ、夏に多発するのでしょうか!?
今回は、夏に多い「脳梗塞」の原因や対策を解説します。
脳梗塞のその他の記事はこちら
→脳卒中片麻痺|右片麻痺と左片麻痺の違いは!?
→心原性脳塞栓症とは?原因や症状、治療方法は?
脳梗塞とは?
脳梗塞は、脳出血やくも膜下出血とともに「脳血管障害」と呼ばれる疾患です。
昔はよく「脳卒中」なんて呼ばれていましたが、言葉は違えど、同じ疾患を指します。
日本人の死因のトップ3にも数えられており、
命の危険のみならず、様々な後遺症を残すことでも知られています。
なお、脳血管障害の中でも脳梗塞が6割を占めています。
脳卒中に関する情報はこちら
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
脳梗塞が夏に多い原因は?
脳卒中は「夏」と「冬」では、発症率が異なります。
実は、冬に多い脳卒中が「脳出血」や「くも膜下出血」などの出血系のタイプです。
一方で夏に多い脳卒中こそが「脳梗塞」なんです。
これは一体なぜなのでしょうか!?
夏は、外気温が高く、体内では夏を発散しようと血管が拡張し、血圧を下げます。
ここまでは良いのですが、汗をかくことで身体中の水分が不足し、血液の濃度が濃くなります。
濃くなった血液は粘度を増し、血の塊である「血栓」を出来やすくするのです。
さらに、水分の不足というのは、循環する血液量を減少させ、血管が詰まりやすくなる要因となるのです。
つまり、「脱水症状」こそが、夏の脳梗塞の原因となるのです。
ちなみに冬に多い「脳出血」や「くも膜下出血」は、
冬は体内の熱を放散しないように血管が収縮するので血圧が上昇し、血管が破れやすくなるためなんです。
夏の脳梗塞の対策は?
夏の脳梗塞の原因が、「脱水症状」であるならば、
大事なことは「水分補給」ですよね…
間違いではないのですが、以下の点に注意が必要です。
【注意1】
水分摂取後も身体へ浸透するには20分程度の時間を有します。
そのため、水分を摂取したから即座に血液濃度が変化するわけではないのです。
汗をかくことが分かっている場合は、出来るだけ早期に、そして小まめな水分補給が必要なんですね。
なお、普通の水よりも、塩分やミネラルを含む「スポーツドリンク」などが適しています。
【注意2】
夏の脱水症状の原因は発汗だけではありません。
その例としてエアコンやアルコールなどがあります。
エアコンの効いた部屋は思いの外、乾燥しているために気づかぬうちに水分が失われています。
また、アルコールは利尿作用が強いために、水分を補給しているつもりが一気に水分を失われる原因となるのです。
濃縮した尿は、脱水のサインであり、アルコールではなく、きちんとスポーツドリンクなどで水分補給を行いましょう。
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→脳卒中後遺症である片麻痺歩行の特徴って…?
→脳卒中の前兆とは|しびれや脱力が生じる!?
まとめ
今回は、夏に多い「脳梗塞」の原因や対策を解説しました。
夏に多いのは意外だったかもしれませんが、理由を聞くと納得ですね。
熱中症などにスポットが当たりがちな夏ですが、実はその熱中症の延長に「脳梗塞」があることを忘れてはなりません。