「緑内障」とは?その症状は?遺伝する病気なの?
2016/11/13
我が国における失明原因の第1位を占めているのは、
「緑内障」です。
気がつかない場合も多いのが緑内障の特徴ですが、
早期発見・早期治療が重要となります。
「緑内障」とは、
“視神経の異常により、視野の狭窄や部分的な欠損を生じる眼の疾患”
です。
40歳以上の人に好発し、
加齢とともに発症率が高まるとされています。
40歳以上における日本人の有病率は、
約5%にもなると言われています。
ごく小さな視野の狭窄や欠損が生じるため、
初期段階では自覚症状がなく、発見が遅れてしまうことが特徴です。
今回は、「緑内障」の原因や症状、治療法などを解説します。
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「緑内障」とは?
「緑内障」は、眼球から脳へみたものの情報を伝達する“視神経”の異常によって生じる疾患です。
40歳以上における日本人の有病率は、5%程度とされており、我が国の失明原因の第1位を占めています。
「緑内障」の原因は?
「緑内障」の原因は、“眼圧の高さ”です。
眼の中には、“房水”と呼ばれる栄養などを運ぶ液体が存在しますが、
この房水の量の産出と排出のバランスが崩れることで眼圧の異常が生じます。
眼圧の正常値は10~21mmHgであり、21mmHgを超えると一般に”高眼圧”と判断します。
眼圧が高くなることによって、視神経が圧迫され、徐々に萎縮が生じてしまい、緑内障が発症するのです。
※眼圧が正常であるが、視神経の異常によって生じる緑内障もあり、「正常眼圧緑内障」と呼ばれています。
「緑内障」の症状は?
「緑内障」の症状は、
“視野の狭窄”と“視野の欠損”です。
片方の眼の発症の場合、上記のような症状が出現しても、
反対の眼によってある程度カバーできてしまうため、初期の段階では気がつかない場合が多いとされています。
そのため、異常に気がついたときにはすでに進行している状態なのです。
このような症状の出現は、“慢性緑内障”と呼ばれるタイプであり、
“急性緑内障”と呼ばれるものも存在します。
急性緑内障では、急激な眼圧の上昇によって発症し、頭痛や吐き気、眼痛、充血など、激しい症状が見られます。
「緑内障」の治療法は?
「緑内障」治療の最大の目的は、
“病気の進行を遅らせること”です。
現在では、根治的な治療法はなく、これ以上悪くならないように、進行を食い止めることが重要です。
緑内障の進行を遅らせるためには、”眼圧を下げる”必要があります。
【薬物療法】
治療の第一選択となる薬物療法では、点眼薬などを用いて眼圧をコントロールします。
大きく分けて5種類の治療薬が存在し、緑内障のタイプ、眼圧の高さ、視野異常の進行度などに合わせて処方されます。
また、同時に内服薬を服用する場合などもあります。
【レーザー治療】
薬物治療の効果が十分でない場合に、レーザーを用いて、房水の流れを変化させ、眼圧を下げる方法です。
外来などでの治療も可能です。
【手術治療】
上記2つの方法においても効果が十分でない場合に、手術治療が選択されます。
房水の流れを良好にし、房水の流れを改善させることで眼圧を下げて、進行を食い止めるのです。
「緑内障」のは遺伝する?
「緑内障」は、遺伝的要素が関連する疾患と言われています。
緑内障の家族発症者が1人いると、その発症率は2倍に増大すると言われます。
また、緑内障の家族発症者が2人以上いると、その発症率は4倍以上に増大すると言われているのです。
昨今の遺伝子学の進歩においては、このような発症の予測的な因子があることは、決してマイナス面だけではなく、
発症リスクを事前に予防・軽減できる可能性も秘めているのです。
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まとめ
今回は、「緑内障」の原因や症状、治療法などを解説しました。
治療によって眼圧が下がった時点で治療終了ではなく、
視野障害の症状の進行が止まって初めて、治療が順調であると言えます。
定期的な受診や、生涯にわたる管理が必要な疾患なのです。
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