「色盲」ってどんな病気?男性に多いって本当?その見え方は?
「りんごは赤」
当たり前の常識かもしれませんが、
その赤さは、実は人によって異なる可能性があります。
「色盲」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「色盲」とは、赤・緑・青の3色が正常の見え方と異なったり、識別できない状態を指します。
この「色盲」という言葉は、”色弱”という言葉とともに、
2005年以降、差別的な用語と捉えられ、
【色覚異常(障害)】と呼ばれるようになりました。
この色覚異常は知られていませんが、
比較的多くの人が有しており、日本人の男性においては約5%(女性0.2%)とされており、
およそ20人に1人に認められるものなんだそうです。
そこで今回は、もともと「色盲」と呼ばれていた【色覚異常】に関して、その原因や男性に多い理由、見え方などについて解説します。
【色覚異常】ってどんな病気?
【色覚異常】では、
正常の人と比較して“色の感じ方が違う”のです。
通常、視覚とは、
・大小の物を見分ける「視力」
・見える範囲の広さである「視野」
・色を見分ける「色覚」
という3つの機能を有します。
この3つの機能は、網膜にある”光”を感じる「視細胞」によるものであり、
「視細胞」の機能低下は前述の3つの機能低下を招くのです。
つまり、このような色覚に生じる異常を【色覚異常】というのです。
【色覚異常】は遺伝する?
【色覚異常】には、
先天性のものと、後天性のものに分類されます。
後天性の場合には、“緑内障”などの疾患の症状として出現します。
一方で、先天性の場合には、遺伝的な要因が関与するため、
有効な予防法などもないとされています。
【色覚異常】は男性に多い?
前述のような先天性に生じる【色覚異常】は、“男性”に多いのです。
その割合は、日本人の男性においては約5%(女性0.2%)とされており、
国内でも300万人以上が該当します。
そのため、気がついていない人も多いと言われ、稀なものではないのです。
色覚異常が男性に多い理由は、
“X染色体の異常によって生じる症状”であるからです。
XXの染色体を持つ女性の場合は、両方に異常がある場合に色覚異常となりますが、
XYの染色体を持つ男性の場合は、Xに異常がある場合に色覚異常になるのです。
【色覚異常】の場合の色の見え方とは?
実際に【色覚異常】があるとどのような色の見え方となるのでしょうか?
色というのは、すべて三原色である赤・緑・青の3つの組み合わせでなっています。
色覚異常はこの3種類の色のどれか、または複数の見え方に異常が生じるのです。
そのため、色覚異常のない人に比べて、色の区別が困難になることがあります。
決して、“世界が白黒に見えている”といったような状態ではないので誤解しないでください。
色覚異常の人が特に見分けづらい色の組み合わせの例としては、
赤:緑
オレンジ:黄緑
緑:茶
緑:黒
緑:灰
青:紫
などがあります。(もっとあります)
ただ、その程度は個人によっても差があるために、色覚異常に気がつかない人も多くいるのです。
【色覚異常】の治療方法は?
【色覚異常】の治療法はありません。
(後天性の場合には、原因疾患の治療により改善します)
ただし、特殊なレンズを使用し、正常な色覚に矯正することなどは可能なようです。
まとめ
今回は、【色覚異常】に関して、その原因や男性に多い理由、見え方などについて解説しました。
【色覚異常】といっても、日常生活においてそれほど多くの不便を感じることは少ないでしょう。
ただし、車の運転免許は取得できても、電車の運転免許などは取得できない場合があるそうです。
視覚に関係する疾患はこちら
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