「半盲」ってどんな症状?その検査法は?リハビリで治るの?
「半盲」をご存知でしょうか!?
“盲(もう)”という時は単独で、
– 視力を失っている状態 –
を意味しますが、“半”がつくとどのような疾患を指すのでしょうか!?
「半盲」は、“はんもう”と読みます。
「半盲」は、視野の半分が欠けてしまった状態です。
まさしく半(分)の盲ということですね。
物を見るための神経(視神経)は、
一つの目の中でも外側と内側とに分かれています。
左右の内外側の視神経は、
眼球から脳(後頭葉)へ至る経路の中で、
視野の内側を担当する経路は、視交叉と呼ばれる部分で交差して反対側の脳へ至り、
視野の外側を担当する経路は、交差せずに同側の脳へ至ります。
脳梗塞や脳出血を代表疾患として、
片方の脳でこの視神経が圧迫されたり、周辺細胞が死滅することで、
「半盲」が生じます。
特にこのような場合には、
両側の視野のどちらか同じ方向が欠損するため、
「同名半盲」と呼ばれています。
今回は、そんな半盲の原因や症状、検査法やリハビリでの改善の有無などについて解説します。
「半盲」の原因とは?
前述したが、脳梗塞や脳出血の前兆症状、または後遺症として「半盲」が生じます。
その他には、視交叉の付近に出現する脳下垂体腫瘍による圧迫の結果、
「半盲」が生じることがあります。
また、脳梗塞などの中でも、
側頭葉や後頭葉に生じる小さな病変の場合には、
視野の半分のうち、上半分または下半分が欠損する
「同名4分盲」も存在します。
「半盲」の症状とは?
「半盲」の症状は、
文字通り、視野の半分が見えなくなります。
両側の視野の同じ側が見えなくなることを「同名半盲」、
視野の半分のうち、上半分または下半分が欠損することを「同名4分盲」と言います。
脳下垂体などによる圧迫の場合、
過剰なホルモンの分泌などが生じる場合もあり、
巨人症などを合併することもあります。
一方で、脳梗塞や脳出血などに起因する「半盲」の場合、
脳の支配領域における様々な症状を合併することがあります。
脳梗塞・脳出血に関する詳しい記事はこちらもどうぞ
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
→脳出血の好発部位は?部位ごとによる症状の違いはある?
「半盲」の検査法とは?
「半盲」を鑑別する検査としては、
視野検査が最も代表的です。
片目づつ、視線を固定してどこまでの範囲が見えるかを検査します。
もちろん、指を目で追ってはいけません。
このような指示が入力される場合は検査が正確に可能ですが、
脳梗塞・脳出血などによって半側空間無視などを合併している場合には、
その鑑別は医師やリハビリテーション専門職などによる専門的な知識や理解を必要とします。
半側空間無視ってどんな症状?
→脳卒中の後遺症「半側空間無視」とは?リハビリ方法は?
「半盲」ってリハビリで治るの?
一概に「半盲」と言っても、
先に述べたように原因によって異なります。
下垂体に関連するような半盲の場合、
外科的手術などによって原因を除去することで回復も見込まれます。
ただ、脳梗塞・脳出血の後遺症による細胞の死滅などの不可逆的な変化の場合には、
劇的な回復を見込めず、
リハビリテーションによって首を振って視野を代償するなどの方法を習得し、適応していくしかないのです。
まとめ
今回は、そんな「半盲」の原因や症状、検査法やリハビリでの改善の有無などについて解説しました。
「半盲」は、周りの人からはその症状を悟ることができません。
それだけではなく、自分で気がついていない人もいるほどです。
特定の方向の物に当たりやすいなどの症状が見えるようでしたら、専門医などを受診し、早めの対応が必要となります。