水頭症とは?症状や治療法、寿命はどれくらい?赤ちゃんに頻発!
2016/01/22
水頭症という疾患をご存知でしょうか!?
妊娠中の人、これから出産する人であれば聞いたことがあるかもしれません。
水頭症とは一体、どのような疾患なのでしょうか?
「水頭症」は、決して赤ちゃんだけに生じる疾患ではありません。
脳の中は脳脊髄液という液体があり、常に産生・循環・吸収を繰り返して、頭の中でも一定の圧を保っています。
しかし、何らかの異常でこのバランスが崩れ、脳脊髄液が正常より多くなり、脳脊髄液による脳の圧迫が生じてしまうのです。
脳卒中やくも膜下出血後などに認められることもありますが、赤ちゃんに多い疾患です。
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
その発症率はおおよそ1,000人に1人と言われています。
そこで今回は、赤ちゃんに頻発する水頭症について、その原因や症状、治療法、寿命などについて調べてみました。
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赤ちゃんに生じる水頭症とは
赤ちゃんに限らず、脳の中には脳脊髄液という液体があります。
この液体は、常に産生・循環・吸収を繰り返すことで、脳の中でもある程度一定の圧力を維持しています。
脳脊髄液の役割は、衝撃の吸収などを行い、脳への衝撃を和らげます。
しかしながら、何らかの原因で脳脊髄液が産生過剰となったり、吸収が不全となると脳内での脳脊髄液の量が多くなり、脳が圧迫されてしまのです。
原因は
水頭症が生じる理由は、脳脊髄液が過剰となることですが、この原因には、胎児の時に神経の発達過程に異常をきたし、先天的に生じることがあるのです。
遺伝性で明らかなものの一つにX染色体劣性遺伝によるものも報告されています。
小児に生じるもの以外では、成人に多い「脳腫瘍」や脳卒中の一つとも言える「クモ膜下出血」や「脳出血」の後などにも生じることがあります。
症状は
水頭症になると、頭蓋内で脳脊髄液が過剰になるため、脳が圧迫されて症状が出現します。
成人と比較して、頭蓋骨が未熟で縫合が不十分な赤ちゃんでは、この圧力によって頭蓋骨が押し広げられ、頭が肥大化することがあります。
その他の症状としては以下のものが挙げられます。
・嘔吐
・頭痛
・不機嫌な状態が続く
・眠りが浅く、ボーッとしている
・なかなか首が据わらない
・両方の黒目が突然下に引っ張られる落日現象
・こめかみ付近の血管が浮き出ている
などなどがあります。
赤ちゃんだけに自分で訴えることが出来ないため、外見上から判断したり、いつもと様子が違うことをしっかり観察する必要があります。
長く続くようであれば、発達の遅れなども観察されることがあります。
治療は
頭部の肥大化など特徴的な所見が認められた場合は、CTやMRIなどを用いて診断を行います。
脳脊髄液がどれくらい脳を圧迫しているのかなどを判断して治療法を決定します。
お腹の中にいる胎児の状態の時でも、エコーなどから発見される場合もあります。
水頭症の治療法は、主に外科的な手術が行われます。
「シャント術」と呼ばれ、脳の中に溜まった脳脊髄液を、頭からお腹までに通した管でバイパスし、腹部で吸収できるようにするのです。
発見が遅れ、長期にわたり水頭症の状態が持続していると重度の障害や後遺症などが現れる危険性もあるそうです。
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寿命や予後はどうなの?
早期発見・早期治療が重要で、手術も問題なく行われれば、スポーツなども通常通りに行えるようになるそうです。
ただ、発見が遅れて、障害などが残るようであれば、その合併症の症状によって予後などは変わってくるものと思われます。
まとめ
今回は、赤ちゃんに頻発する水頭症について、その原因や症状、治療法、寿命などについて調べてみました。
赤ちゃんの疾患は、発見が難しいこともあります。
それだけに日頃からよく赤ちゃんのクセや特徴を把握し、
「いつもとちょっと違うな…」
ということにいち早く気がつける観察力が重要ですね!