変形性足関節症とは?症状や手術方法は?リハビリは何をするの?
2016/03/16
変形性関節症といえば、代表的な関節症に
【変形性膝関節】
【変形性股関節】
があります。
しかしながら、人の下肢には、もう一つ大きな関節として足関節があります。
あまり聞きなれないかもしれませんが、【変形性足関節症】も存在するのです。
「変形性足関節症」は、足関節を構成している、距骨・脛骨・腓骨の間の軟骨がすり減ってしまうために生じます。
高齢女性に多い訴えの中で、
「膝が痛い…」
「足の付け根が痛い…」
などと、よく聞かれますよね。
事実、これらの変形性膝関節症や変形性股関節症は、変形性関節症の中でも発生頻度が高い疾患です。
変形性膝関節症に関する記事はこちら
→変形性膝関節症とは!手術やその後のリハビリは?
→変形性膝関節症|ヒアルロン酸注射って効果があるの?
それに比して、変形性足関節症は、やや発生頻度は低いとされています。
それだけに、その原因や手術方法などは周知されていない疾患とも言えます。
そこで今回は、変形性足関節症の原因や症状、治療方法、そしてそのリハビリ方法などもまとめてみたいと思います。
変形性足関節症とは
足関節は、距骨・脛骨・腓骨からなる3つの骨で構成されています。
これらの間隙が狭くなったり、骨同士の変形が生じたりすることで、軟骨がすり減ってしまうことで変形性足関節症が発症します。
変形性膝関節症や変形性股関節症に比べ頻度は低いとされています。
変形性足関節症に関する詳しい記事はこちら
→変形性足関節症とは?原因や症状、治療方針は?
原因は
変形性足関節症の原因には、大きく分けて二つの要因があります。
【一次性】原因がはっきりとせずに、加齢などに伴うもの
【二次性】過去に外傷による骨折や捻挫、靭帯損傷、関節リウマチなどの疾患に続発して生じるもの
などがあります。
とりわけ、二次性のように、過去に何らかの外傷により骨自体の小さなズレが生じており、長年の使用や繰り返される負担に耐えきれずに発症することが多いようです。
症状は
変形性足関節症の症状は、【疼痛】が主症状となります。
それも、荷重時に生じることが多く、歩き始めや階段昇降時、長時間の立ち仕事の後などには、特に痛みが生じやすいです。
痛みを避けるように歩行するようになると、下肢の筋力低下や不動による関節可動域の制限や変形が徐々に進行し、次第に正座や坂道の移動など様々な動作にも制限をきたすようになります。
治療方法は
症状が軽度であれば、安静を強いること、足底板やサポーターなどの装具療法、痛み止めの内服などの選択肢があります。
特に足底板は、荷重がかかり疼痛が出現する部位への荷重を避けるように、傾斜をつけたりすることで疼痛を抑制します。
ただし、進行性の変形性膝関節症そのものに対する治療法ではないので、根治的な解決にはなりません。
重度の変形をきたす場合や、疼痛や動作障害による日常生活動作の制限が生じているようであれば、手術療法を行います。
手術療法は大きく分けて3種類あります。
・下位脛骨骨切り術:脛骨下端を骨切りし、傾斜などを修正する
・足関節固定術:足関節を固定してしまう
・人工足関節置換術:人工の関節に入れ替える
いずれの手術方法も、疼痛の緩和を最大のメリットとして行われますが、それぞれ特性があり、年齢や活動度、重症度などによって最適な方法が決定されます。
高齢者に多い骨折に関する記事はこちら
→大腿骨頸部骨折|手術方法は|術後のリハビリテーション
→高齢者の骨折部位|好発部位はどこ?|予防や対策は?
変形性足関節症のリハビリテーションは
いずれの手術方法を行った場合でも、術後のリハビリテーションは大変重要なものです。
リハビリテーションの最大の目的は、日常生活への復帰です。
とりわけ、歩行の獲得が最優先課題となるでしょう。
変形性足関節症の手術後は、早期から自動・他動ともに積極的に関節可動域訓練や筋力訓練を行っていいわけではありません。
また、早期から荷重をし、立位や歩行を行っていいわけでもありません。
医師の判断で骨癒合を確認しながら少しづつ進めていくことが一般的です。
時期に合わせて、
・関節可動域訓練
・筋力増強訓練
・立位、歩行訓練
・日常生活動作訓練
などを行います。
特に足関節は歩行時において体重を支持し、大きな身体を前方へ運んでいかなければなりません。
そのため、とりわけ足関節の関節可動域の獲得は非常に重要となるといえるでしょう!
まとめ
今回は、変形性足関節症の原因や症状、治療方法、そしてそのリハビリ方法などもまとめてみました。
発生頻度は低いものの、身体の体重を最も下から支える大事な足関節の疾患となります。
歩行の障害は、まさしく日常生活の障害に直結する死活問題です。
痛みを感じたら、長いこと放置するのではなく、症状や変形が軽いうちに受診し、適切な治療を施していくことが重要となります。