マラソンやランニングで生じる「低血糖症状」対策はある?
「低血糖症状」
ランニングやマラソンなどの運動とは特に関係のないような言葉に思えますが、
侮ってはいけない重要な症状なんです。
「低血糖症状」
という言葉を聞いたことがありますか?
簡単に説明すると、
“身体のエネルギーである血液内に含まれる糖が不足するために生じる症状”
です。
一般的に低血糖を起こすのは、
薬剤による副作用などですが、
運動などによって血液中の糖が消費されることによって生じることもあります。
かの有名な箱根駅伝の山登りの選手が生じたことでも話題になりましたね。
また、マラソンの高橋尚子選手が陥ったことなどでも取り上げられたことがありました。
それほど、マラソンやランニングなどの運動では「低血糖症状」が生じえるということです。
では一体どのような症状が生じて、どのような対策が必要になるのでしょうか!?
そもそも「低血糖症状」とは?
血液の中にはブドウ糖と呼ばれる“糖”が含まれています。
これは生命維持を行うための重要な栄養素であり、エネルギー源です。
通常は食事をすることで、でんぷんなどの糖質を取り込みます。
つまり、食事をすると血糖値が高まり、エネルギーとして使用すると血糖値が下がる仕組みです。
では、どんな時に血糖値が下がり、「低血糖症状」に陥るかというと、
激しい運動などによってエネルギーを生み出す時です。
例えば、マラソンやランニングなどの有酸素運動を行う場合、
脂肪を燃焼させることによるエネルギーで長い時間の運動が可能になります。
この脂肪を燃焼するための燃料の役割になるのが“糖”なのです。
このような運動だけでなく、
日常レベルの身体活動などでも生じる場合もあり、
特に食事を制限するようなダイエットなどをする場合には糖の取り込み自体が不足するため注意が必要です。
また、身体活動のみならず、
脳のエネルギー源としても重要であり、集中力ややる気の低下にもつながることもあります。
血糖が低下する場合を低血糖、
上昇する場合は高血糖と言い、慢性的に血糖が高値を示すことを主体とする疾患を「糖尿病」と言います。
「低血糖」で生じる症状とは?
では、「低血糖」に陥るとどのような症状が生じるのでしょうか!?
具体的な症状として、
まず初期の低血糖症状として、
・手や足の震え
・頻脈
・多汗
などの症状があります。
これらを交感神経症状とも言われます。
その後、
・目のかすみ
・頭痛
・集中力の欠如
・あくび
などが出現します。
これらを中枢神経症状と言います。
より重篤な症状として、
・痙攣
・異常行動
・意識障害
が出現します。
このような場合には、血糖値が50mg/dl以下になっている場合が多く、
危険な状態と言えます。
マラソンやランニングにおける「低血糖症状」の対策は?
運動中に必ずしも、
「あ、今低血糖だ」
と気がつくことは容易ではありません。
体調がちょっとおかしくなっても運動しているため、
様々な要因が考えられてしまうことから、血糖が原因とは必ずしも分からないためです。
しかしながら、運動をするものは必ずそのような症状が起こり得ること、
そのような場合にはどうすれば良いのかという知識を得て、対策を講じておかなければなりません。
具体的な方法としては、
「補給食」を携帯することです。
補給食といっても、運動中ですので荷物にならないレベルが好ましいですよね。
実際には、
・飴
・キャラメル
などの甘い食べ物です。
今では、低血糖対策の飴なども売られています。
マラソンやランニング中であれば、1時間に1回程度は糖質を補給するのが良いと言われているそうです。
また、その場での対応はもとより、
運動前に糖質補給を行うことや、
しっかりと朝食をとり、炭水化物を摂取することも重要です。
まとめ
今回は、マラソンやランニングなどの運動で生じる「低血糖症状」の対策などについて解説しました。
レースに出場するような選手でさえも生じることがあるので侮ることは出来ません。
「あれ、今日ちょっと変だな」
と感じるようであれば、疑ってみて、対策を講じることが重要です。