シェーグレン症候群とは?初期症状や寿命は?過去には芸能人も…
2016/07/24
シェーグレン症候群という疾患をご存知でしょうか?
シェーグレン症候群は、膠原病の一種で、ドライアイなどの症状を特徴とする疾患です。
シェーグレン症候群は、医師シェーグレンにより発見され命名された疾患です。
過去には、芸能人の「菊池桃子」さんも自身がシェーグレン症候群を患っていることを自己告発したことがあります。
膠原病の一種とされており、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症(PSS)、皮膚筋炎(DM)、関節リウマチ(RA)、リウマチ熱(RF)、結節性多発性動脈炎(PN)の古典的膠原病の類縁疾患として数えられています。
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慢性の唾液炎や乾燥性角結膜炎を主症状とするため、ドライアイやドライマウスが出現します。
厚生労働省研究班のデータによると、その有病率は10万人に対して約15人と言われていますが、潜在的な患者さんを含めると、この数よりも多いことが推測されています。
男女比においては、1対14と圧倒的に女性に多く、発症のピークは40-60代となっています。
今回は、シェーグレン症候群の原因や初期症状、寿命などについて調べてみました。
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シェーグレン症候群とは?
シェーグレン症候群とは、1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンの発表した論文にちなんでその名前がつけられた疾患です。
膠原病の中でも、類縁疾患として扱われていおり、難病指定疾患にも指定されているため、医療費の補助を受けられます。
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原因は何?
膠原病全般に言えることですが、原因となるのは自己免疫です。
何らかの原因によって免疫の異常が生じることによって、蛋白質を抗原として認識して自己抗体やリンパ球により自らを攻撃してしまう病態です。
簡単に言うと、本来は自分を守るための免疫が、自分を攻撃してしまうということです。
その中でもシャーグレン症候群は、唾液腺や涙腺などの組織を選択的に破壊します。
最終的には、腺房の破壊や萎縮を認めます。
(初期)症状は何?
シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺などの組織破壊により生じる症状が主症状となりますが、その他にも多彩な症状を呈します。
初期症状として生じる症状は、主に目や口の症状が主となります。
【目に生じる症状】
・目が乾燥する
・涙が出ない
・目がゴロゴロする
・目が疲れる
etc
【口に生じる症状】
・口が渇く
・唾液が出ない
・味覚が鈍る
・虫歯が増える
etc
【全身症状】
・息切れ
・疲労感や倦怠感
・関節の痛み
・脱毛
・微熱の持続
・レイノー現象
・頭痛
・めまい
・うつ
etc
などが生じます。
症状だけでは、リウマチなどの他の膠原病との区別がつきにくく、この中でもドライアイや、ドライマウスなどの本疾患に特徴的な症状を診断します。
寿命は変わる?
シェーグレン症候群自体が寿命を縮めるようなことはありません。
また、シェーグレン症候群の症状によって二次的に生じる疾患も命に関わるような重篤なものは少ないです。
ただし、ごく稀にですが、「間質性肺炎」を併発する可能性があります。
5年生存率が84%と高いと言われていますが、100%ではないだけに重症な疾患とも言えるでしょう。
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まとめ
今回は、シェーグレン症候群の原因や初期症状、寿命などについて調べてみました。
あまり馴染みのない疾患かもしれませんが、難病に指定されるように根治的な治療法がないのが現状です。
ドライアイやドライマウスなど、一見軽微なものと思いがちですが、当事者にとっては非常に辛い症状であるのは間違いありません。
もしこのような症状に気づいた場合は、リウマチ科の専門医、とくに内科系リウマチ専門医などの診断を受けると良いそうです。