「美容院脳卒中症候群」そんな疾患あるの?美容院のシャンプーが原因?
「美容院脳卒中症候群」
美容院…
脳卒中…
一体この二つにどんな関係があるのでしょうか?
先日ニュースである記事が話題となっていました。
そのニュースでは、
“散髪が原因で脳卒中を発症した男性に、理髪店から損害賠償が支払われた”
というものです。
その記事によると、
・散髪から2日後、仕事の商談中に突然倒れ、病院に救急搬送された
・医師らは、洗髪の際に首を後ろへ反らせる姿勢によって動脈が圧迫され、その時にできた血栓が脳卒中を引き起こしたと診断
という恐ろしいニュースです。
医師が診断しているため、おそらく本当なのだと思うのですが、
本当にそんな疾患があるのでしょうか?
今回は、脳卒中の基礎知識を振り返りながら、
「美容院脳卒中症候群」とはどのようなものか調べてみました。
脳卒中ってどんな疾患?
脳卒中は、正式には“脳血管障害”と呼ばれ、
脳の血管に生じる病変です。
その病態ごとに脳梗塞・脳出血・くも膜下出血に分類され、
それらの総称を脳血管障害というのです。
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
→脳出血の好発部位は?部位ごとによる症状の違いはある?
脳血管障害を患うと、
病変の大きさや治療開始までの時間など個人差はありますが、
障害を受けた脳の機能に準じた症状が生じます。
代表的な症状には、
・運動麻痺(片麻痺)
・感覚障害
・痺れ
・高次脳機能障害
など様々で、後遺症が残存することも少なくありません。
→片麻痺|脳卒中後遺症|痺れの原因は?治る?
→脳卒中片麻痺|右片麻痺と左片麻痺の違いは!?
「美容院脳卒中症候群」の原因は?
「美容院脳卒中症候群」の原因は、
美容室や理容室でのシャンプーとされています。
シャンプーの台に頭を乗せて首を後ろに反らせる事で、
脳へ血液を送る血管に血栓が生じる、または一時的に血流が低下し、
脳卒中を引き起こすというのです。
もちろんすべての人がこのような状態になるのではなく、
生活習慣病に代表されるような脳卒中になりやすい素因を持っていて、
このような姿勢が誘因となって生じると考えられます。
そのため、実際にどれだけの時間このような姿勢になっているば生じるなどということは一概に言えないでしょう。
もし、そのような姿勢でいるときに、
・めまい
・吐き気
・頭痛
などの症状が生じた場合には、直ちに姿勢を戻し、
休むことが必要です。
→一過性脳虚血発作(TIA)ってどんな病気?脳梗塞の前兆!?
→ラクナ梗塞とは?その定義は?原因や症状、治療方法は?
まとめ
今回は、「美容院脳卒中症候群」について調べ、まとめてみました。
実際にシャンプーされている時の姿勢は楽でしょうか?
特に脊柱が屈曲(円背や猫背)している人にとっては、
シャンプー台は過剰な頚椎の伸展が生じるため、
「ちょっときつい…」
なんて人もいるのではないかと思います。
また、シャンプー台のみならず、ただ寝ている姿勢などでも生じることが考えられ、
枕の高さなど自分にあったものを使う必要がありそうですね。