脳卒中!冬に多い理由は?
2015/12/27
秋から冬にかけて、気温の低下とともに増加するといわれる脳血管障害、いわゆる脳卒中!
今や脳血管障害は国民の死亡原因では肺炎とならんで第3位に位置しています!
生活習慣病などの影響で年々発症率が増加し、医療費や社会補償費を圧迫しているまさしく社会問題といえるでしょう。
今回は、脳卒中について、その分類を説明しながら冬に発症することが多い原因について紹介します。
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→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
→脳卒中片麻痺|装具の種類や適応は?
Contents
脳卒中の様々なタイプ
脳卒中とは、大きく分けて二つに分類することができます。
1)脳の血管が詰まることによって生じるものを「脳梗塞」という。
血管が詰まることによって、脳に糖や酸素が行き渡らなくなります。
その中でも、心臓の血管の中に出来た血栓が遊離して脳の血管を詰まらせるものを「心原性脳梗塞」、脳の血管内に不純物が蓄積し血管を詰まらせるものを「アテローム血栓性脳梗塞」、ごくごく細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」、一過的に詰まるものの短時間で再開通する「一過性脳虚血発作」など、原因や症状、その重症度も様々です。
2)脳の中の血管が破れることで生じるものを「脳出血」という。
その中でも、脳とくも膜の間を走る血管が破れた場合を「くも膜下出血」という。
脳出血も生じる血管の場所やその大きさなどによって症状や、重症度も様々です。
危険因子:高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化、心房細動、喫煙、多量の飲酒などなど
「脳梗塞」「脳出血」いずれの場合においてもその危険因子となるのは、いわゆる生活習慣病といわれる類です。
「高カロリーで脂っぽい食事をし、運動をせずに喫煙や飲酒をしている人」心当たりがある人は多いのではないでしょうか!
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→脳卒中は再発しやすい?再発率は?予防や対策は?
脳卒中!冬に多い理由は?
本記事の冒頭にも書きましたが、脳卒中は季節性があり、
冬に生じることが多いとされています。
もちろん脳卒中の原因は多岐に渡るため、一概に原因を特定することも容易ではありません。
それでも、身体内因性の問題だけでなく、環境の問題、つまり夏と冬の気温差に関連して脳卒中が発症しやすい原因もあったのです!
【冬の脳卒中】
★ケース1「風呂場で着替えている時に発症するケース」
このケースは、風呂場で服を脱いだ際や、寒い場所に長時間いることで発症するケースです。基本的に気温が寒いと血管は収縮し、血圧が上昇します。
そのため、気温の差が大きければ大きいほど、血圧の上昇が大きくなり、突然血管が切れる「脳出血」を発症しやすくなるのです。
対策:暖かい格好をするのはもちろんのこと、入浴前に浴室を温めておくなどの工夫も良いでしょう。
★ケース2「お酒を飲んだ後に、暑いお風呂に入って発作を起こすケース」
このケースを分析すると、まず、利尿作用の強いお酒を飲むことで、身体の水分が失われます。そこにお酒を飲み続けることで、血管は拡張し、血圧が低下します。
ここで暑い風呂に入ることで再び血管は上がりますが、再度、血圧が低下していきます。
この時点で脱水と低血圧が重なって生じます。
基本的に脳梗塞の最大の危険因子は高血圧ですが、動脈硬化をすでに持っている人は血圧低下により、一時的に血流が低下し、動脈硬化で細くなっている血管の先に血液が途絶してしまうのです。
この場合は脳出血ではなく「脳梗塞」が頻発します。
夏に脱水が進み、血液中の水分が失われ、血液がドロドロになって詰まるということも多発しています。
対策:脱水にならないようにこころがけることが大事ですが、お酒で水分を補充するのではなく、しっかりと水などの水分を補充しましょう。また、ケース1でもありましたが、基本的に急激な温度差には注意が必要ですので、湯加減などにも気を使いましょう。
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→脳卒中の前兆とは|しびれや脱力が生じる!?
まとめ
冬に生じることが多いと言われる、「脳卒中」について、その種類や冬場に起こりやすい原因などをご紹介しました。
自分は大丈夫だろう、年齢的にまだならないよ!
誰しもがそう思っているのではないでしょうか!
発症する時は一瞬です。
特に危険因子を有している人は、予防をすることはもちろんのこと、生活習慣を見直してみるのはいかがですか。
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