一過性脳虚血発作(TIA)ってどんな病気?脳梗塞の前兆!?
脳卒中にも様々な前兆症状が生じます。
その中の一つに「一過性脳虚血発作」という疾患があります。
脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称であり、正式には、脳血管障害と呼ばれます。
脳卒中に関する詳しい情報はこちら
→脳卒中とは?脳梗塞と脳出血とは違うの?
→脳卒中の合併症とは?怪我や痛みなど…!リハビリの制限因子になる!?
それぞれに、様々な発生要因があります。
例えば、脳梗塞とは、血管の狭窄や閉塞により、脳に送られるはずの酸素や栄養が途絶え、脳が壊死してしまう疾患です。
脳梗塞にも、幾つかの前兆症状がありますが、そのうちの一つに「一過性脳虚血発作(TIA)」という疾患があります。
一過性脳虚血発作は、脳梗塞と同様に、血管の狭窄や閉塞により、脳に送られるはずの酸素や栄養が途絶える疾患でありますが、文字通り一過性に出現するのです。
その症状は、24時間以内であり、多くは数分以内に完全に消失されると言われています。
これを繰り返すうちに大きな脳梗塞に発展することがあるため、脳梗塞の前兆症状として非常に重要なんです。
脳梗塞の前兆症状に関する情報はこちら
→脳卒中の前兆とは|しびれや脱力が生じる!?
そこで今回は、脳梗塞の前兆症状である、一過性脳虚血発作ってどんな病気なのかについて解説します。
一過性脳虚血発作(TIA)とは?
一過性能虚血発作(TIA)とは、一過性に脳の血流が途絶え、運動麻痺や感覚障害などの症状が出現します。
TIAとは、transient[一過性の]ischemic[血流不全]attack[発作]の英語の略称です。
多くは、数分以内、長くても24時間以内に症状が治まるものを言います。
いわば、数分間に限られた脳梗塞と言えますが、これ自体が脳梗塞の前兆であり、非常に危険な状態といえるでしょう。
脳梗塞の前兆症状に関する情報はこちら
→くも膜下出血とは?前兆症状はあるの?原因や後遺症は?
原因は?
一過性脳虚血発作の原因となりうるのは、何らかの原因で生じる血栓です。
以下の二つが大きな原因とされています。
【動脈硬化】
比較的太い血管などに動脈硬化が生じると、血管の表面に血栓が付着します。
この血栓が剥がれ、脳の血管で詰まることで症状が発症します。
なお、一過性脳虚血発作の場合は、一時的に血流が途絶えた後に回復しますが、脳梗塞の場合は、そのまま閉塞します。
【心臓疾患】
心臓に何らかの疾患がある場合にも、血栓が生成され、脳の血管で詰まると症状を発症します。
これは、心原性脳塞栓症などと同様の原因であります。
詳しくは、こちらの記事を参照ください!
→心原性脳塞栓症とは?原因や症状、治療方法は?
症状は?
一過性脳虚血発作の症状は、急激に出現し、数分〜数時間持続した後に消失します。
代表的な症状を以下に示しますが、その臨床症状は多岐に渡ります。
・半身の運動麻痺
・感覚障害や痺れ
・ろれつが回らない、しゃべれない
・言葉が理解できない
・視野狭窄や視力低下
などなどの症状が認められたら、一過性脳虚血発作、もしくは脳梗塞の前兆症状です。
直ちに病院を受診しましょう。
脳梗塞の症状に関する記事はこちら
→脳卒中片麻痺|右片麻痺と左片麻痺の違いは!?
→片麻痺|脳卒中後遺症|痺れの原因は?治る?
治療方法は?
一過性脳虚血発作である場合、病院を受診した際には、すでに症状が治まっている状態である場合が多いです。
重要なのは、再発をしないことです。
再発するということは、重篤な脳梗塞に発展する可能性が高いということです。
事実、一過性脳虚血発作が起こった場合、約10%が1年以内に、約30%が5年以内に脳梗塞を発症するとされています。
脳卒中の再発に関する情報はこちら
→脳卒中は再発しやすい?再発率は?予防や対策は?
では、その治療(予防)方法はというと、
脳梗塞の危険因子でもある、高血圧や糖尿病、高脂血症や喫煙などのリスクを管理することです。
投薬療法はもちろんのこと、適切な運動なども必要になります。
禁煙などは今すぐにする必要があるでしょう。
脳卒中のリハビリテーションに関する記事はこちら
→脳卒中片麻痺|装具の種類や適応は?
→脳卒中の後遺症「半側空間無視」とは?リハビリ方法は?
まとめ
今回は、脳梗塞の前兆症状である、一過性脳虚血発作ってどんな病気なのかについて解説しました。
一過性だからといって侮ってはいけません。
再発率や重篤な脳梗塞に発展する可能性が非常に高いのです。
脳卒中の再発に関する情報はこちら
→脳卒中は再発しやすい?再発率は?予防や対策は?
もしこのような前兆症状に気がついたら、直ちに病院を受診し、適切な治療を受けましょう!