夏に多い【尿路結石】の原因や症状、治療方法とは?
夏になると急激に増える「病気」があります。
その中の一つに【尿路結石】があります。
三大激痛とも称されるその病態はどのようなものなのでしょうか?
【尿路結石】は、尿路に生じる結石のことです。
簡単にいうと、尿路にカルシウムを含むカルシウム結石が生成され、激しい腰背部痛・側腹部痛・下腹部痛が生じるのです。
※ここでいう尿路は、腎杯(じんぱい)、腎盂(じんう)、尿管、膀胱、尿道を含んだものです。
尿路結石は、生活習慣病の入り口とも言われ、
特に体内から急激に水分が失われる夏に多い病気と言われます。
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好発年齢は、30歳〜60歳の男性に多いとされています。
日本人が生涯に罹患する確率は、およそ10%程度とされ、食生活の乱れが指摘される昨今では、増加傾向にあるそうです。
そこで今回は、夏に多い【尿路結石】の原因や症状、治療方法などについて解説します。
尿路結石の原因は?
尿路結石の原因には、様々な要因が指摘されています。
・尿路の通過障害
・尿路感染
・水分不足
・バランスの悪い食事
・特定の疾患や薬剤の影響
などがあります。
この中でも、とりわけ夏に生じる原因は、
水分摂取不足による【尿量の減少】です。
夏場は大量の汗をかくため、体内のあちこちで水分が枯渇します。
尿量が減少し、濃縮されると、普段尿に溶けている物質が結晶化して結石になるのです。
尿路結石の症状は?
尿路結石の症状は何と言っても、
【激しい疼痛】です。
「3大激痛」だったり、「七転八倒の苦しみ」とも表現されるほどに強い疼痛が生じるようです。
疼痛の部位は、背中や腰、脇腹や下腹部など様々な部位に広がっていきますが、腰痛などといったものの痛みとは異なる性質の痛みを感じます。
疼痛は2~3時間程度続き、数分おきに痛みが強まっていくなど、強弱のある痛みが特徴と言えます。
それにしても、なぜ疼痛は背中や腰などに生じるのでしょうか!?
尿路結石は、腎臓内で生成されます。
この時点では、痛みは感じず、血尿なども出ないので気づかないケースも多いのです。
疼痛が引き起こされるのは、結石が腎臓から尿官へ移動してきた時であり、尿流によって尿管に詰まってしまいます。
詰まった結石のせいで尿管に尿が流れず逆流を引き起こすことで腎臓に尿が溜まります。
この腎臓に加わる圧によって激しい痛みが生じるのです。
また、背中側に痛みが生じるのは、腎臓が背中側に位置しているからです。
その他にも、
・血尿
・吐き気
・嘔吐
などが生じることもあります。
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尿路結石の治療や対策は?
尿路結石と診断されると、その治療には、
あまり聞きなれない幾つかの治療法があります。
現在では、開腹手術はほとんど行われなくなり、以下のような治療方法が行われるようになりました。
ESWL:体外衝撃波結石破砕術
TUL:経尿道的結石除去術
PNL:経皮的結石除去術
ESWLは、尿路結石治療の第一選択であり、体外で発生した 衝撃波によって体内の結石に収束させ破砕する方法です。
TULは、レーザーなどを用いて結石を破砕除去する方法です。
PNLは、背部から超音波ガイドに穿刺して約1cmの腎瘻を作成し内視鏡を挿入して結石を摘出あるいは超音波装置などで破砕吸引する方法です。
夏に多い尿路結石の予防方法は、
まずは【水分摂取】が重要なことは言うまでもありません。
しかし、ただ水分を取るだけでなく、身体への吸収が早いスポーツドリンクなどが特に有効です。
また、結石が生成する前に洗い流す方法もあり、この場合は利尿作用の強いコーヒー、紅茶、日本茶などがオススメのようです。
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まとめ
今回は、夏に多い【尿路結石】の原因や症状、治療方法などについて解説しました。
治療をしないで放置すると、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病にも発展しやすいそうです。
何より、そんな恐ろしい疼痛に見舞われたくないですよね!?
夏の尿路結石のリスクに十分注意しましょう!