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「小脳性認知情動症候群(CCAS)」とは?どんな症状がでる?

   

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脳卒中をはじめとして、

“小脳”へ障害が及ぶと「運動失調」「めまい」「平衡機能障害」などが出現することが知られています。

しかしながら近年では、これらに加えて

【小脳性認知情動症候群】という病態が注目されています。

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脳卒中とは、正確には“脳血管障害”と呼ばれ、

脳梗塞脳出血くも膜下出血などの脳血管の障害の総称を指します。

日本における死因の第4位を占めるほど、身近でありながら非常に恐ろしい病気です。

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このような脳血管障害であっても、

損傷された部位や大きさ、時間経過によってその症状も大きく異なります。

その中でも“小脳”の障害は、

運動障害をはじめとして多彩な症状を呈します。

 

一般に小脳の障害では、「運動失調」と呼ばれる運動障害や、

「めまい」「吐き気」などの並行機能障害が有名です。

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しかしながら近年では、

【小脳性認知情動症候群】と呼ばれる情動の障害が生じることが明らかとなっています。

この障害は、患者の機能回復を阻害するとともに、周囲には一見やる気がないように見えてしまったりと、医療者においても十分な理解を必要とする病態を呈すのです。

 

そこで今回は、【小脳性認知情動症候群】についてまとめます。

【小脳性認知情動症候群】とは?

【小脳性認知情動症候群】

(Cerebellar Cognitive Affective Syndrome : 以下CCAS)

は、小脳の障害によって生じる症状で、

いわゆる前頭葉症状と呼ばれる

・遂行機能障害
・感情の変動
・言語障害
・視空間認知障害

などが生じます(主要4症状)

 

小脳とはもともと、運動機能との関わりを中心に考えられていましたが、

1998年にSchmahmannらによって、

小脳の中でも後下小脳動脈領域である後葉病変は、このような認知機能障害と関連があると報告されたのです。

 

 

【小脳性認知情動症候群】が生じるメカニズムは?

脳は単一の部位で、単一の機能を有するのみならず、

周囲の部位とネットワーク(神経回路)を作りながら機能しています。

 

もともと運動機能が主であると考えられてきた小脳ですが、

小脳の神経線維の連絡は、一次運動野のみならず、前頭前野や運動前野との関連が明らかとなっており、

小脳の障害であっても、いわゆる前頭葉の症状が出現するのです。

 

 

【小脳性認知情動症候群】で生じる症状とは?

小脳性認知情動症候群で生じる症状には、

主要な4症状として、

・遂行機能障害
・感情の変動
・言語障害
・視空間認知障害

が挙げられます。

 

遂行機能障害は、一連の目的を持った活動が、成し遂げることが困難となります。

前頭葉の障害で出現することがあり、計画や作業記憶、言葉の流暢性などの障害を含みます。

 

感情の変動は、脱抑制や不適切な行動をとるなど、人格の変化として現れます。

危険な行動を繰り返したり、八つ当たりや暴言などがみられます。

 

言語障害は、軽度の失語症を伴い、失文法などを認めるため、指示をする際には単純明確に行うことが良いです。

 

視空間認知障害は、視力の障害はないにも関わらず、顔や物品の認識や、その記憶が困難となります。

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まとめ

今回は、【小脳性認知情動症候群】について、その症状やメカニズムについてまとめました。

感情や行動における障害が強いが、器質的な障害と捉えることが出来ないと十分な対応が困難です。

特に、リハビリテーションを中心とした直接的な治療に加えて、

家族や医療チームなどでの病態理解の共有や対応方法の統一などが重要となります。

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